こんにちは。4年の石川梨夏子です。

良い天気が続き、気持ちがいいですね。私はというと、4ヶ月続いた減量が終わり、お腹いっぱいになるまで毎日ご飯を食べてニコニコです。

 

 

さて、最後の部員日誌を更新します。

 

 

 

『はじまり』は小学生のとき。

運動の習い事がしたい。水泳がしたい。バレエがしたい。ボクシングがしたい。お相撲さんになりたい。

 

そんな私は家を出て歩くこと3分、朝飛道場に連れて行かれました。

初めて見た柔道は正直何をやってるかわからなかったです。よくわからないけど、なんだか楽しそうだと思いました。

小学生の頃は強化選手になったら、中学生は優勝したらご褒美をあげると言われて必死に頑張ってました。その中で、(不器用すぎて、技を覚えるのに苦戦しましたが、)練習すれば試合で投げることができる柔道の楽しさにハマっていったのだと思います。怪我をするのは嫌だったけど、初めての全国大会で5位になれたし、たくさん怒られているはずなのに、楽しかった記憶しかありません。すべてを右から左に流し、「何も考えていない」といろんな人から言われるくらい本当に何も考えておらず、本能で生きていました。

 

高校生、やっとちゃんと考えて柔道をするようになりました。そして考えて努力して勝つことの喜びを知りました。高校生になって3度目の全国大会を決め、「全国で勝てる選手になる」という目標のもと練習をしていた頃、自分が柔道をなんのためにするのかやっと答えが出そうな時に、肩が頻繁に抜けるようになりました。ちょっとぶつかっただけですぐに肩が外れてしまう、毎日が絶望になりました。楽しかったはずの柔道が辛くて、自分に自信が持てなくなりました。高3最後の試合の頃には、いつも試合前に書く柔道ノートも1文字も書けなくなりました。たくさん練習しているはずなのに、大事な場面でどうしても怖くなってしまう。逃げ出したくて仕方がなくて、もう辞めようと思いました。

 

それでもやっぱりほんのちょっとだけ、気になってしまって。小学生の頃、練習で訪れたことのある大学の柔道場で、朝飛道場で稽古をつけてくださった先輩方のいる、近くて1番馴染みのある大学の練習を見に行きました。楽しそう、ここでならまた頑張れそう、慶應義塾大学で柔道をしようと、もう一度日本一を目指そうと決めました。

 

 

大学1年生、同期のプレイヤーの女子は私しかいませんでしたが、先輩方が優しくたくさん話しかけてくださったのでなんともありませんでした。慶應での練習は楽しいし、先輩方と出る試合も楽しくて、毎日がキラキラでした。ですが、結果は何も残せませんでした。全然強くなれませんでした。

 

練習が楽しくたって、試合で勝てなければ楽しくない。頑張っているつもりでも試合で勝てないからきっとどこか甘えているところがある。与えられたメニューを淡々とこなしていくだけでは強くなれない。自分には何が足りなくて、どうすれば強くなれるのか。このままだと大学4年生までずっと結果を残せずに終わってしまう。自信を持ちたくて持てなかった高校生の頃と同じ結末になってしまう。今ココで変わらないといけない。

 

頼れる先輩方が卒業していき、軽量級の練習相手も、女子の練習相手もどんどん少なくなっていきました。この環境でどうやって強豪校の選手に勝てるのかわからなくなって、不安になりました。

 

でも私には深く考えることは向いていないし、柔道という世界に正解はないから、、そう思って、頭に浮かんだやらなきゃいけないと思ったことを全て行動に移すようにしました。そしたら少しずつ結果が見えてきて、遊ぶのを我慢して、食べたい物を我慢して、無駄にならなくて良かったなとホッとした自分がいました。

 

ちょうど1年前、偉大な3人の先輩方が卒業し、ついに女子プレイヤーは1人になりました。早慶戦も勝ったし、全国大会団体戦は3位になれたし、個人戦も出場できたし、十分でした。本当は私も引退してしまいたかったです。

 

でもそこは踏ん張るしかなくて、いろんな学校の練習に参加させていただきました。沢山の柔道チームの良さに触れました。また練習に来てねと言っていただけるありがたさ、柔道の世界が大好きになりました。いつの日からか怖さはなくなり、強い選手と戦うことが楽しくなって、毎日の練習が楽しみになりました。

 

そして慶應の道着で勝つことに意味があることに気づきました。

 

この1人出稽古期間があったからこそマインドを変えることができました。

今まで「試合は絶対に勝たないといけない、何もできなかったらどうしよう」と思い、結局プレッシャーに圧倒されて何もできなかったのが「強い選手とたくさんやりたいから勝ちたい、いろんな技を試したい」に変わり、伸び伸びできるようになりました。
いつも死にそうになっていた減量も、肩が抜けるのが嫌で毎日泣いていたことも吹っ飛んじゃうくらい試合が楽しみで楽しみで、全然余裕になりました。そして、怪我をしていてもなんとしても慶應の道着で勝ちたいという意地が芽生えました。

 

おかげで今年はたくさん試合ができました。最高に楽しかったです。全国大会の決勝の舞台に立てたこと、目標にすらしていなかった講道館杯に出場できたこと、自分1人の力では到底成し遂げることができなかったと思います。

 

男子部員の皆さん、投げ込みをたくさん受けてくれて嫌がらずに乱取りをたくさんしてくれてありがとうございました。マネージャーの皆さん、色々あるのを我慢して道場ではいつも笑顔でいてくれて楽しくお話をしてくれてありがとうございました。OB・OGの先輩方、練習では声をかけてくださり、試合ではいつも温かいご声援ありがとうございました。先生方、不器用な私に柔道を丁寧に教えてくださり、柔道の楽しさを教えてくださり、本当にありがとうございました。ここまで不自由なく柔道をやらせてくれたパパママ、ありがとう。いつも試合会場まで送ってくれて、応援してくれてありがとう。部屋を柔道着まみれにしてごめんなさい。あと2日なので許してください。

 

そして1年生の女子3人、ひろの、沙耶加は8ヶ月、和海は3ヶ月という短い間だったけど一緒にチームとして柔道をしてくれてありがとう。怪我ばかりして、ずっと減量していて、一緒にトレーニングとかご飯とか行く機会が少なくてごめんなさい。落ち着いたらみんなでスイーツを食べに行きましょう。きっとこの先大変なことが何度も訪れると思うけど、3人で力を合わせて乗り越えてそして全国優勝してください。初めての早慶戦、緊張すると思うけどいつも女子更衣室にいるときみたいにのびのびと元気にやってください。

 

 

ここまで読んでくださった方はわかると思います。私はすぐに自分の世界に入って1人になってしまいます。しかもあんまり話しません。塾柔道部の皆さん、こんな私を受け入れてくださり、たくさん声をかけてくださり、本当にありがとうございました。

慶應義塾大学の柔道部に入ったおかげで、団体戦が、みんなで戦うことの楽しさがわかりました。みんながいるからこそ自信を持って戦うことができます。だからこそ、試合当日が楽しみでワクワクしています。

慶應義塾大学で柔道を続けて本当によかったです。

 

明後日、11月12日を以って14年間の柔道人生を『おわり』にしたいと思います。

 

全力で戦います。応援の程、宜しくお願いいたします。