お疲れ様です。
慶應義塾體育會柔道部主務の小野佑眞です。
猛暑が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

暑すぎる日々とは裏腹に、『夏は寒くて冬は暑い』六徳舎にて、六徳の民は今日も元気に暮らしております。

本日は、日吉道場にて暑中稽古が行われました。猛暑の中、総勢10名を超える先輩方がお越しになり、胸をお借りしながら濃密な稽古をさせていただきました。明日も本日同様、9時より日吉道場にて行われますので、奮ってご参加いただけますと幸いです。

さて、この度の部員日誌では、大変僭越ながら『就職活動』について述べさせていただこうと思います。一個人の見解ですので、お手柔らかに見ていただけますと幸いです。

就職活動にあたり、父・母・妹・ノア、そして先輩方、同期、後輩、友人の多くの人々に支えられ、助けていただきました。本当にありがとうございました。

思い返すと、僕の就職活動は大学2年生の3月頃、体育会ソッカー部の友人の勧めにより始まりました。大学受験をしていないからか、将来に対する不安は人一倍強く、友人や部活の同期に隠れて、こっそりと企業研究等を始めました。何食わぬ顔で着々と準備をする、これもまた内部生の性でしょうか。。。

当時の志望業界は、総合商社一択。普通部時代の社会科見学(目路はるか教室)で本社に行かせていただいた某財閥系商社のカッコよさ、デカさに圧倒され、生意気なことに中学生の頃から、世界を股にかけて、とにかくでかいビジネスを回しまくる総合商社に魅了されていました。とはいえ、これは中学生の浅はかな考え。何も知らない大学生として、様々な業界・企業を研究することは不可欠だろうと考え、外資・内資を問わず、幅広く就職活動にチャレンジしました。

結果的に、総合商社3社から内定をいただくことができ、そのうちの一つに入社を決意しましたが、そこまでの道のりは非常に彩り豊かで、金融業界からメーカー、コンサルと多岐にわたる業界を垣間見させていただきました。そして、たくさんの業界を観察・研究し、「やっぱり総合商社かな?」という解に帰着しました。(今振り返ると、)その時の自身の考えや想いは、就職活動初期のものとは比べ物にならないくらい深く、自信を以て、志望動機等を話すことが出来たと思っています。

ですので、今後就職活動をする皆さんは、一つの業界や企業に視野を絞らず、より広い視点で様々な業界研究を行うことを強くおすすめします。(特に、M&Aや戦略立案を扱うIBD・コンサル業界は、インターンなどで様々な業界を研究できるので大変おすすめです。)

さて、前置きという名の自分語りが長くなってしまいましたが、本題に入ろうと思います。僕が、就職活動を終えて最も伝えたいこと、それは、、、

『就職活動は、ロジック×熱意×伝え方のゲームである』

ということです。なんか偉そうですみません。

面接官の誰もが聞いてもストンと腑に落ちる論理を構築して、それに感情という人間味を肉付けする。そしてそれを誰にでも伝わるように説明する。これこそが、基本にして最強の就活マインドだと考えています。

そしてこの方程式、実は就職活動にだけ当てはまるものではないと思います。日々の部運営などの「組織運営」の中で、非常に大切な要素であると考えるからです。例えば、「柔道部をより良い部活にするにはどうしたらいいか」を考える際、そこには戦略的なロジックとその原動力となる熱意、そして周りにそれを伝え巻き込むための伝える力が何よりも求められます。すべての要素が掛け合わさってこそ、最大限の力を引き出せると思いますし、どれも掛けてはならない要素だと考えています。

また、実際にOB訪問をさせていただいた柔道部の大先輩とのお話の中で、大変印象に残っているお言葉があります。それは、ビジネスを行う上で大切なのは、

「IQ×EQ=BQ」

というものです。
頭(Intelligence Quotient)と心(Emotional Intelligence Quotient)の知能指数をかけ合わせれば、BQ(Business Quotient)が構成されるということであり、僕は「IQとはロジック、EQとは熱意のこと」だと解釈しています。これは、先述の通り、組織運営において非常に重要な要素であると思います。

我々柔道部員は、ありがたいことに、このような「組織運営(もしくは個人の活動)」を存分に堪能する4年間を与えられています。目標に向かって、戦略を考え、熱意を迸らせ、みんなで突き進んでいく。まさしく、先述の方程式を体現できる環境であると考えています。ということは、柔道部員にとって就職活動は自ずと、単なる通過点に過ぎず、これまでの自分自身の振り返りとこれからの自分を見つめ直す(絶好の)機会ということになります。

僕が受けていた総合商社業界は、こうした「組織運営」をまさに世界中で行う業界ですので、特に意識して対策をしていましたが、これは別に他の業界でも同じことだと思います。人それぞれ考え方は違うと思いますが、社会に出てもきっと柔道部と同じ様に、「目標に向けてチームで頑張る」ということを行うと考えるからです。

僕は、柔道部は「社会の縮図」であると考えています。プレイヤー・主務・最上級生など様々な役割を担う中で、柔道部ひいては慶應義塾體育會という組織のあり方を学び、課された仕事やミッションを試行錯誤しながらクリアしていく。そのような経験を、「社会に飛び出しても実現できます」と企業に訴え、採用してもらうのが就職活動です。したがって、就職活動にあたり、最も考え、やるべきことは、「今目の前にある目標に対して精一杯努力する」ということだと思います。様々な先輩方にこのようなことをご教授いただいていましたが、僕自身このお言葉を身を以て感じました。これはガチです。

そして、この「組織運営」という観点で、人と人との繋がりや礼儀、意思決定プロセスなどを最も学ぶことができる環境が、実は「六徳舎」という環境にあると思っています。まだ何もわからない1年生の頃から、監督と幹部陣、上級生同士の会話を聞き、個人のみならず「組織」としての視点を体感し、身につける。そして時には、風呂や飲みの席で自分の考えをぶつけながら、腹を割って話し合う。これはまさに寮生活の醍醐味であり、就職活動ひいては社会人になるにあたってとっても大切なものだと思います。僕自身、コロナ禍において、監督や篠原先輩、岡崎先輩、中内先輩などと生活をする中で、組織運営に係る様々なことを学び、自分なりの考えを醸成してきました(今も)。そして、それを面接官にぶつけました。このような柔道部での経験があれば、体育会生というパイの中で、同じ就活生と戦うのであれば、正直他の学生とは一線を画する「ロジックと熱意」を以て、自信とともに話をすることができると思います。

なんだかとりとめのない文章にはなってしまいましたが、僕の言いたいことは過去の篠原先輩の日誌に詰まっておりますので、ぜひご覧ください。(先輩、お借りします。)
(http://keiojudo.net/athletic/4年生/就職活動-2/)

つまるところ、僕は柔道部生活、そして寮生活を通して、「組織運営」とは何かを紛いなりに学ぶことができ、それを面接の場で述べさせていただきました。なんだかまたまた煩雑にはなってしまいましたが、

『就職活動は、ロジック×熱意×伝え方のゲームである』

この考え方に間違いはないと思います。
とはいえ、僕自身、この三要素、特に「伝え方」の部分はまだまだだと感じています。残り4ヶ月と少しの柔道部生活、悔いのないよう日々反省しながら精進してまいります。

改めまして、この度お世話になった全ての方々に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

偉そうにつらつらと述べてしまい申し訳ございません。
一個人の感想ですので、サッと流してください。

ぜひ、これから就職活動を迎える皆さんの一助になりますと幸いです。

以上