私事ですが、昨年の12月に膝を手術しまして、これまで約半年間リハビリに励んで参りました。そして先日、遂にその長いトンネルを抜け、乱取り以外の練習を許可されました。寝技の乱取りはやっていいのか知りませんが、できそうなのでやっています。半年ぶりの道着に袖を通し畳の上に降り立てば、否が応でも昂揚する。そう思っていたのですが、実際は意外と落ち着いていて、昂りのようなものは一切感じませんでした。むしろ、自分のリハビリはここからが本番で、決してトンネルを抜けた訳ではないと自覚しているようです。

怪我はチャンスだとよく言われます。自分も手術以前の、いやそれ以上の肉体にしなければと、この半年はトレーニングに勤しんできました。でも、この道程を振り返って、全力だったか?尽くしたのか?と問われれば、まったくの否。確かに、強化した部分の数値こそ上がっているものの、もっとできただろうというしこりが常に残ります。

そして、今回の手術を通して僕は考えてしまったのです。この体育会柔道部で過ごす4年間のトンネルを抜けた先で、僕は、僕の同期はどんな顔をしているのだろうと。そして、何となく実感してしまったのです。自分はきっとどれだけ努力したつもりでも、それは全然足りなくて、最後土壇場で練習不足を後悔するんだろうなと。

もともとコツコツ努力するのが苦手で怠け者の自分は、きっと生まれながらのキリギリスなんだと思います。そんな根っからのキリギリスは、どうせ最後は後悔するのなら、これから今までよりもう少し努力をしても良いかなと考えています。言っている事が矛盾しているのは分かります。でも、どうせやっても無駄だからと、心の中でもっともらしい事を言っている自分が私はどうも嫌いです。努力がふいになるかもしれないのにそれでも歩みを止めない、そんなアリにも似た姿を、最近はかっこいいなと感じます。

アリに憧れキリギリスなりの努力をして、そして最後に少しの後悔が残るなら、自分らしくもこれまでにない4年間になると思うのです。だから最近は難しい事は考えずに、もう少し頑張ってみようと思えるようになりました。

 

競技への完全復帰は約1ヶ月半後になります。日体大といちゃつく戸狩合宿は7月ですので、なんと間に合ってしまいます。いやぁ楽しみだな(汗)。何とか緊急回避する術はないかな。あ、そうだ前十字をもう一本切って・・・。

 

頑張れ、キリギリス!