ご無沙汰しております、2年の小野です。

12日ぶりに外界に戻ってきたら、あまりにも世界が寒くなっていて震え散らかしています。いよいよ本格的に冬の到来を感じます。

まずはご報告がございます。

私小野佑眞は、無事前十字靭帯再建の手術を終え、本日退院致しました。何から何まで手助けしてくれた両親、そしてお見舞いや応援の言葉をくださった先輩・同期・後輩に心から感謝しています。本当にありがとうございました。

12日間の入院生活でしたが、総じて、何かをするには短く、何かをしないには長い時間でした。入院準備の際には、あれもやろうこれもやろうと大量の参考書やプリントを詰め込んで臨みましたが、ほぼ手につかず、代わりに手のひらにはスマートフォンがありました。一方で、日々の課題や授業は当たり前にあり、オンラインで欠かさず出席していました。皮肉にもこのコロナ禍にめちゃくちゃ助けられましたね。

この入院生活は、私にとって、いい意味で何にも代えがたい貴重な経験であったのかなと思います。というのは、私自身、初めての手術・入院であったので、数多くの刺激や新しい経験を得ることができたからです。

まずは手術です。これは凄かったです。異世界に飛ばされていました。腰椎に麻酔を注射されて死を悟り、「1本じゃ足りないからもう1本いくね」と言われた時には生命の儚さを、骨の髄から感じていました。術中は経過をモニターで見ることができるうえ、自分の好きな音楽も聞けるので、余裕だろうと思っていましたが、そんなわけはなく、麻酔が心臓まで上がってきて気持ち悪くなり、おまけに同期のピーダーセンに教えてもらった曲のテンポがあまりにも早すぎて焦り散らかし、終いには先生に早く寝かせてくださいと懇願していました。眠る直前に見えた自分の膝の内はとても綺麗で、真っ白な半月板と骨骨した骨、ブチ切れた血まみれの前十字靭帯、思わずスゲェと言ってしまいました。人体の神秘、天晴。

手術が終わり、目を覚ましてから24時間は地獄でした。ホンモノの生き地獄です。麻酔によって下半身の感覚を奪われてしまっているが故に何をするにも大変、移動・睡眠・排泄・その他諸々、生きるのが大変でした。日々当たり前にできていること、特に生物が本能的に無意識にできていること(排泄とか歩行とか排泄とか)のありがたさを心の底から改めて感じ、この感覚は一生忘れることはないなと思いました。

1日立つと、松葉杖を使って歩けるようになったので、その生活レベルの向上に歓喜していましたが、一方で、術前とは比べ物にならないくらい動かなくなってしまった自分の膝を見て、一刻も早く元通りにしなければいけないと気を引き締め直しました。

そこからは、リハビリの毎日が続きましたが、その中でお見舞いに来てくれた仲間との会話は僕の中で本当に大きな力になりました。現塾柔道部膝会会長の谷口先輩と山室先輩のアドバイスをはじめ、数少ない有意義な楽しい時間を過ごせました。改めまして、皆さん本当にありがとうございました。

以上のように、大雑把ではありますが普段の生活では味わえない貴重な体験をできたので、(ないに越したことはないけれど)いい人生経験であったかな、と心の中で己に言い聞かせています。

 

本当の勝負はここからです。

術後のリハビリが最も大切で、(早期)競技復帰への鍵となります。お医者さんの言いつけを守り、可能な範囲でできることに誠心誠意臨んでいく所存です。また、既にチーム中内は始動しているので、皆に遅れを取らぬよう、心技体の心を燃やして精一杯日々の生活に取り組んでまいります。本当に頑張るので、温かく見守っていただけると幸いです。

なんだかとりとめのない文章になってしまいましたが、今回はここまでに致します。

どうか皆様は怪我をなさらぬよう、コロナに負けぬよう、ご自愛ください。

 

終わり

 

ー追記ー

入院中にあれだけ手を出さぬようにしていた、「鬼滅の刃」に手を出してしまいました。面会に来てくれた人たちに勧められたので、仕方ありませんでした。まぁ時代の流れに乗るということで、甘んじて見させていただいております。その中で、2つほど面白いセリフが合ったのでご紹介致します。

 

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」

これは本当にその通りだと思いました(笑) 今や戦のない日本では日頃から命の危険を感じることはあまりないですが、私は今回の麻酔注射の際に、本当に命を握られたなと思いました。腰を丸出しにして、針を刺されて、下半身が動かなくなる。恐ろしい!

 

「死ぬほど鍛える。結局それ以外の方法ないと思うよ。」

おぉと思いました。死ぬほどリハビリします。頑張ります。

 

以上