こんにちは。望月です。この日誌は10/2に書いています。昨日は全日本学生個人の2日目でした。コロナ禍が緩和されてから、何度も日本武道館で試合を観戦しましたが、ここに来ることも暫くはないかななどと、少し寂しく思いながら列車に揺られる帰り道、4年間の柔道部生活がフラッシュバックしました。
長文になりますが、どうかお付き合いください。
一年生の時、柔道部の見学に来た時には、もう入部すると心のうちで決めていました。それまで柔道に縁もゆかりもありませんでしたが、たまたま読んだ内田早紀先輩と岡崎先輩の部員日誌に惹かれて、「この部に入りたい!」と直感でした。見学ではその直感があっていたか確かめる程度のもので、見学が終わるなり、マネージャートップの佐野先輩と新歓担当の湯ざ先輩に入部の意向を伝えました。
初めは揺れる畳も、人を投げる音の大きさも全てが新鮮で、主将の後藤先輩は殿上人のように遠く輝いて見えて、主務の日時本先輩はバリバリ仕事をしていて、きれっきれで同じ大学生なのかと目を疑いました。早慶戦前日、日時本先輩に飲み物を奢っていただいた時は、嬉しさの余り容器のペットボトルを記念品として自分の部屋に飾りました。初めての早慶戦では、とにかく感動して、篠原先輩が一本を取ったところらへんから泣いていました。試合観戦で泣くのは初めてでした。
柔道部は、それまで自分の為に頑張る、勝つということにしか価値を見出していなかった私に、「仲間のため」というそれ以上に豊かなことを教えてくれました。
4年生の先輩方が引退してきた冬、コロナで試合や行事が行われず毎日単調な業務が続く中、私は不安でした。それは、引退するまで、いわゆる誰かがやってくれたらありがたいけれど中々進んでやりたくはない雑務を担当するだけの生活を送って終わるのではないかということでした。もしそれが「マネージャー」という存在なのであれば、柔道部に力を注ぐのは愚かではないだろうか?中途半端に部活に向き合うくらいなら、初めから諦める方がましだと思いました。
<マネージャーってそういうものでしょう?>
<「部員」っていうのは選手だけで、マネージャーは含まれないよ>
そんな悪気のない言葉が悔しい。でも、あの4年生のかっこよさに憧れてしまった以上、あの早慶戦に魅せられてしまった以上、柔道部が本当に好きになってしまった以上、部活動に手を抜くことはできなくて、それなのに自分に力がないが故に何もできないのが苦痛でした。選手たちが全国でベスト何位とか、高いところを目指しているのに、一体私は畳の外で何をのうのうと過ごしているのか。けど2年秋にして漸く初めての公式試合観戦。全日本学生で活躍される先輩方…。あぁかっこいい。眩しい。あんな勇姿を見てしまうと、諦めるなんて到底無理な話なのである。
せめて最高学年になる頃には、一人前に部の戦力になりたい。そのためには部内で信頼を得たい。実現できるか分からない高く遠い目標に大学生活を賭けようと思いました。
そんなことを思いつつも、試合も行事もなく、即ち特段仕事もなく、まず思いついたのは、アップ運動に参加したり、朝飛道場に通ったりすること、言葉通り「選手」に近づくことくらいでした。今となっては恥ずかしい話です。身勝手を許して下さった中内先輩や山室先輩方には申し訳なく、感謝しきれません。が、素人がちょっとやそっと、柔道に手を出した位で何かが分かるようになる筈もなく、安直な発想でした。結局、マネージャーはマネージャーの業務経験を地道に積み上げるしかないのです。ちなみに悩んでいた時、都倉と細谷がご飯に誘ってくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです。
去秋、主務になりました。身が引き締まる思いでした。しかし、新体制が始まるなり、度重なるミス、配慮ない言動で招いた波紋、すっかり余裕を失いました。板挟みの立場。女子というマイノリティであること、マネージャーで柔道について疎いこと。決断に責任がついて回ること。組織で動くって難しい。下級生の頃の「選手がかっこいい!先輩に仕事を任せてもらえて嬉しい!」という憧れから来る原動力には限界がありました。
自分の力不足が情けない時は、先代の主務の先輩方の存在が支えになりました。海公さん、日時本先輩、愛弓さん、佑眞さん…先輩方がやってきたのだから、次に繋ぐまで頑張ろうと思えました。そして、何よりもいつも隣には仲間がいました。初めは全部を完璧にしようと思っていたのが、少しずつ同期を頼れるようになって(思い返せば最初から頼りっぱなしでしたが)、肩の力を抜けるようになりました。
そして、最近ようやく、「柔道をする部員が好き」という思いで純粋に活動を楽しめるようになりました。実績を出さなくてはという焦りでも、「部のため」「貢献しなくては」から来る重たい責務感に動かされる訳でもなく。見返りを求めず、柔道部が好きだから、とにかく楽しいから、主務/マネージャーをやっています。最高の仲間たちが隣が頑張っているから、そう思えます。
昨日の試合は流れ解散でしたが、「日本武道館の試合最後だし、決勝戦まで残ろうと思ってるー」と後輩マネージャーたちに話したら、一緒に観ます!と、最後まで付き合ってくれました。皆もそれぞれ予定があって忙しいと思うのに…ありがとう、とても嬉しかったです。
「マネージャーであること」を時には嫌悪し、時には救われてきました。結局、「マネージャー」が柔道部での全ての原点でした。
こうやって書き出すと、4年間遠回りばかりしてきたなと思います。もっと効率よくできたかな。けど、これだけの道のりが必要でした。これまでの柔道部生活には本当に後悔がありません。
最近、現役生活があと2ヶ月という実感が湧いてきました。早慶戦部内戦、尼崎、そして11月に入ればあっという間に早慶戦と、着々と時は進んでいって、決して待ってくれません。塾柔道部の一現役部員として活動できるありがたさを噛み締めて、最後までやりぬきたいです。みんな、引き続きよろしくお願いします。OB、保護者の皆様におかれましても、引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願いいたします。
がんばるぞ。がんばろう。
自分語りばかりで恐縮ですが、お付き合いくださりありがとうございました。もう十分すぎる位に語れました。
次回のラスト部員日誌は何を書きましょう。