こんにちは、部員日誌を書いたは良いものの、更新を怠ってきた中山です。
少し前、Yahoo!ニュースを見ていると、「プロポーズ成功直後に転落死」という悲惨な見出しの記事を見つけました。気になって読んでみると、事故現場は沖縄宮古島の伊良部(いらぶ)大橋で、奇しくもこの夏、私が家族旅行で訪れた地でした。伊良部大橋は島と島を繋ぐ全長3キロほどの、海をまたぐ橋です。記事の内容はこうです。事故の日の夜、亡くなった男性は交際相手の女性と二人でお酒を飲んだ後、事故現場の橋の上でプロポーズしOKを貰った。その後、男性はふざけて橋の欄干を越え、誤って足を滑らせ海に転落した。7時間後に発見されるも、病院で死亡が確認された。こんな感じです。
私のこの記事を読んだ最初の感想は「バカだな、なにやってんだよ」とごく当たり前のもの。記事のコメント欄を見ても、やはりそういったものが多くありました。他にも「残された女性が不憫、可哀想」などの意見も。その中で、ひとつ私が個人的に引っかかったコメントがあります。
「お酒の勢いとはいえこういった非常識なことをする男性と結婚しなくてよかったですね、」的なやつです。
はあ?
そもそもこの人は誰の立場で意見しているのか非常に気になります。ただ、記事を読みながら、こういうことを言う人がいるだろうなと思っていたので、正直、期待通りです。まあ、コメント欄とは自分が思ったことを書き込む場なのでむしろそういう意見がある方が自然であり、別にとやかく言うわけではないですが、何か腹が立ったのでここに書いています。
普通の人はこんなことしない、とか
こういう奴はいつかやらかす、とか
そんな人とつるまない方がいい、とか
仮に自分の知人が言われたらどうですか。ある一件だけを掬われて、そのわずかな情報から赤の他人に知人の人間性について語られたら。私はむかつきます。繰り返しになりますが、そういうことを考えてコメントしろと言いたいわけでは断じてありません。自分がこういう考え方というだけです。
それからもうひとつ。酔っている時って変な万能感みたいなものありませんか。普段できないことができる気がするあれです。大声で歌えたり、見ず知らずの人に気軽に声を掛けられたり。だから私は、男性が橋の欄干を越えたことも正直頷けます。プロポーズに成功している背景も考えれば尚更です。もし自分だったらやらないと思いますが、絶対とは言いきれません。なぜなら、それほどにお酒の力や場の空気とは時に恐ろしいものだからです。
更に言えば、亡くなった男性はまさか自分が足を滑らせるとは思っていなかったのだろうと思います。誰しも自分が次の瞬間、事故や事件の渦中にいるとは夢にも思っていない。これは記事に対してコメントしている人たちや、このことを綴っている私にも言えることです。何事も常に他人事、自分に起こりうることとは想像しない。でもそれが普通だと思います。要は、あのコメント欄は世間の縮図です。
この記事で私が何を感じたかというと、「いつも」と何かが少し違っただけで自分にもそういった災難は起こりうるということ。そう思うと、バカだなとか、なにやってんだよと私は不用意に言えません。そして、その馬鹿みたいな過ちひとつで、周りからはこいつ全部ダメみたいな烙印を押されるのです。
たまたま目に止まった記事に対するコメント欄を見て、その中に世間を見て、それが自分に起こりうることと想像して、体の芯がヒュッとなったというお話でした。