ご無沙汰しております。総合2年の島田です。身を焦がすような暑さが続く今日この頃でございますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。僕は今、戸狩合宿を終え東京へ帰るバスに揺られながら日誌を書いています。

戸狩合宿は「地獄の合宿」と言っても過言ではないでしょう。起床走り込み+寝技柔道就寝という生活ををおよそ1週間繰り返す訳ですから、体力的にキツイです。戸狩の辛さは前々から耳にしていましたが、先輩方から「ともなら多分大丈夫だよ」と言われ、たかを括っておりました。そのような精神的な浮かれ具合も相まった中、合宿は「ゲレンデ4本」というメニューとともに幕を開けたのでした。

戸狩合宿では様々な学びを得られたので、今回はそれを書かせて頂きます。

今回の学びで最も大きかったことは、柔道が礼儀礼節の競技であることを身をもってし知れたことです。相手あってのものという意味もありますが、何より怒りや不快感といった感情に呑み込まれそうになることもあるから、というのが僕の持論です。所謂「陰険」をしてくる相手と何度か乱取りをしましたが、そこに生じる自分の中のマイナスな動力は自己嫌悪や罪悪感といったものと同類にあると感じます。つまり、生じるだけで行き場のない感情の流れということです。それらを放出すれば相手の心に同じ負のエネルギーを生み出すことになりますし、かといって封じ込めようとすれば単なるストレスとして蓄積され、心苦しいです。とすれば、解決策は一つしかありません。それは自分の解釈を変えること、つまり自分が感じる負の感情を正の感情に昇華させてあげるということです。そして、礼儀礼節は負から正への変換を最も簡単にしてくれるものだと実感しました。「ありがとうございました。」。どんなに不快感を感じる相手でもこの言葉を言うことでリセットできます。相手に対する感謝はネガティブな思いを持ち越すことなく、自身のモチベーションをポジティブな方向へ引き戻す力を持っています。勿論、人は不完全な生き物ですから全ての負の感情を拭い去ることはできません。東洋哲学では、人は陰と陽で成り立っているとされていますし、喜怒哀楽の全てが人を作るとすれば、怒や哀はあって当然です。大切なのは喜と楽で優しくサンドイッチしてあげることなのではないでしょうか。

最後に、この7日間はとても充実したものになりました。コロナで奪われた「夏の青春」を取り戻したようで、心底嬉しいです。ただ、今回の合宿で得られたことを無駄にしないようオフ後の稽古も全力で取り組んでいく所存で御座いますので、今後も変わらぬご指導ご鞭撻の程何卒宜しくお願い申し上げます。

ご精読ありがとうございました。

おわり。