今回の暑中稽古も無事に終わり、参加してくださった先輩方や先生方、本当にありがとうございました。
いつも暑中稽古や寒稽古は、悲しいことに試験期間の直前に行われ、しかも稽古期間中に試験がある場合も多く、睡眠時間が確保されていないと精神も保たれない私にとってはすごく厳しい時期に違いません。
しかし、この厳しい時期というのは、私の人生に大きな影響を及ぼしているのに違いません。学期が始まって、休みに入るまで、繰り返される日常の中で、自分の人生のより有意義な呼吸の意味を問い続けてしまい、「生まれたから生きていくだけ」という簡単な答えに納得できず、一人の世界に入ってしまうことが多いです。自分のやりたいこととは何だろう、幸せとはなんだろう、いつか全部飽きてしまうのではないかと、答えの鍵なんか、遥かに遠い未来の島に埋もれているのに、船も地図も食糧も水も準備せずに、見えもしない島への熱情、冒険心を失い、現実に浸った脳の操り人形になって暗い馬屋の端っこにしゃがんでは、本能でしか動かない馬の姿から慰められる一連の日常。
自分には夢があると、熱情に溢れた時期もあったと、だから馬のお前らたちとは違うんだという人間の複雑な優越感。しかし、自分が体を置いているところは馬屋。そのなかで去年の寒稽古は、私を救ってくれました。もう一回機会をもらったような感じでした。やり直せる。傷つけられた心の歪んだ欲求ではなく、寒稽古は、睡眠、ベッドでゆっくり携帯をいじることなど、基本的な欲求にしか集中させてくれませんでした。稽古が全部終わって、寝たいだけ寝ることができるという事実だけで幸せで、ありがたい。
後ろから追ってくる、鬼、課題、試験、稽古、進級、勉強、就活、未来への不安。自分の努力の矢先にはなにがあるだろうか。
きっと何もないでしょう。それでも、わざわざ自分の手で土を掻き上げ、間違った宝地図を持ってきたという事実を後ろに終わりを迎えるのが人生なのではないでしょうか。