こんにちは、成宮陸雄です。
先日の早慶戦は、昨年に引き続きまたしても涙を飲む結果となりました。
先鋒から数えて7番手で出場した私の相手は、早稲田のルーキー南出選手を破った3年澤田、粘り強い柔道が持ち味の1年大月の2名を抜き、すでに満身創痍と言える状態の渋田選手でした。時間を稼ぎ回復しようと、組み合うことを避ける相手の組手に乗せられ、私は有効な技をかけることなく時間が過ぎていきました。
試合時間残り10秒ほどになり、脚を取ろうと不用意に踏み込んだところに大内刈を合わせられ、私は一本負けしました。
「試合では自分の悪いところしか出ないものだ」
塾高時代に鏑木先生が幾度となく口にされていた言葉です。今回の試合で、私が練習したつもりでいた内股、関節技はついぞかかりませんでした。引込みからの十字固めは、肝心の極めには至りませんでした。私がかけた技といえば、普段の練習で組んでは離れてを繰り返す悠長な組手や、付け焼き刃の袖釣込腰、半端な体落や脚取りといったところです。
それよりも、何よりも悔やまれるのは、私が敗れたあの一瞬です。なぜ脚を取ろうとしたのか。今まで培ってきた組手をなぜ捨てたのか。
自分を信じ切れなかったのかもしれません。今ならわかります。私の日頃の練習では、実戦の想定、一本を取られたら終わるという緊張感がまるで欠けていました。本番を想定せずにただ練習をこなし、試合上に立った結果、それが浮き彫りになったのが、今回の早慶戦です。
恩師の教えを、大一番で痛感することとなりました。
私以外にも、今回の試合で実力を出し切れず敗れた部員はいるでしょう。ただその中で、相手に自分の持てる全てをぶつけ、全身全霊で戦った4年生の先輩方は輝いて見えました。特に平山先輩。山田が消耗させたとはいえ圧倒的に格上と目されていた相手に対し、塾高時代から磨きをかけてきた背負投と、相手が得意とする寝技への対応策を徹底し、結果完封して食い止めました。まさしく塾柔道部7年間の集大成と言える戦いぶりだったと思います。
幸い、私にはあと1年猶予が残されています。悔いを残すことのないよう、死力を尽くす所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
今回はこれにて失礼いたします。