まだまだ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。ご無沙汰しております。松永です。

現在、塾柔道部は九州、関西遠征を目前に最後の追い込み期間を迎えております。中には本日から向かう者もいます。四年前に始まったコロナの脅威から遠征ができるまでになったと思うと少し嬉しい気持ちもありますが、試合はやはり白黒はっきりするものですので、当然緊張もしますし、行きたくないと思う気持ちもあります。しかし、勝負に対する恐怖を乗り越えてこその柔道人であり、そこに武道の人間教育の要素が詰め込まれているのだと思いますので、遠征での試合、稽古は死力を尽くして臨みたいと思います。

さて遠征の話はこれまでに、僕が最近激しく心を揺さぶられた映画について話したいと思います。その映画とは「タイタニック」です。

ここからはまだ見てない方はネタバレ注意とさせていただきます。

ご存知の方も多いと思いますが、この映画はタイタニック号の沈没事故を元に描かれた映画で、身分が対極的なジャックとローズが船上で恋をし、航海中の座礁事故によりローズは最愛のジャックと死別してしまうという物語です。

この「タイタニック」には書ききれないほどの技巧が散りばめられており、今なお色褪せない名作であることに納得しました。

作中には様々な対比がなされていて、チンピラあがりのジャックと貴族のローズという身分の対比をはじめ、はじめは船尾で最悪の出会いをした二人が、中盤には船首で腕を広げるロマンチックな関係になるといった美しい表現に心打たれました。

中でも、一番美しいと感じた対比が、死にたがっていたローズをジャックが救い、最後は氷点下の海水で遠のく意識の中、ジャックという希望を失ってなお生き抜く決意をしたローズの対比です。

海上でカチカチに固まってしまったディカプリオ様がトラウマでしたが、最愛の人を失い一番絶望したローズが生きると決意した心境の変化、ジャックが開いた心の扉「Once more, you open the door 」は涙なしでは語れません。

皆さんは目の前で最愛の人がカチカチになり沈みゆくのを見て、まだ生きようと思えるでしょうか。僕は無理な気がします。しかしここで重要になってくるのは主題歌の「My heart will go on 」です。こちらも作品に負けず伝説的な曲ですが、この詩中でジャックの、人の意思がローズの中で生き続けていることが示唆されています。ワンピースで言うところの受け継がれる意思人の夢、というやつです。人は死ぬからこそ、死して人の中に生き続けることで生の意味を見出していこうというのが名作の共通点なのでしょうか。

ともかく、打ちひしがれても先人たちの魂を受け継ぐことが本当の「生き抜く」なのではないかと考えました。

それは部活の先輩たちの想いしかり、家族の子供への想いしかり、はたまた仲間の想いしかり。その想いを紡いでいくことこそ生きる意味なのだと考えます。

長くなりましたが、とにかく言いたいのは遠征頑張るということです。様々な方々の想いを胸に闘いたいと思います。では行ってまいります。

ご精読ありがとうございました。