お世話になっております。4年の中内です。
はやいもので部員日誌の更新も残り数回のようです。
今回は柔道人生を色々と振り返ってみた際に、思い返してみると何かと自分の中で引っかかっていたなーというものについて書いてみました。
もしよければ読んでみてください。
小学2年生で柔道を初め1年が過ぎた頃、父に言われた言葉がある。
「かいは試合が好きか?」
僕は幼いながらに父の言葉の意図はなんだろうと考えつつも恐る恐る「好きじゃない…、ちょっとこわい」と答えた。
そうすると父はこう言った。「そうか、それはダメだなー。試合が楽しみになるくらいじゃないと。」よく分からないことを言うなと車に揺られながら思っていた。それにこの先もたぶん分かりえない感覚だなと真面目に理解しようともしなかった。
その日の夕飯後、父とサッカーの試合を見ていると父はまた「アウェーとホームならどっちがいい?」とおかしな質問をしてきた。見ていた試合はホームで試合をしているチームが優勢に試合を進めていた。
「ちなみにお父さんはホームだなー。」父はしたり顔でそう答え、私が答えるのを待っていた。
しばらくテレビで流れる試合の様子を眺めた後に「僕はアウェーがいい」と答えた。応援に来てくれた知り合いに負けるところを見られたくないという何とも逃げ腰な当時の僕らしい理由だった。そして最近までもそう思っていた。
あれから月日は流れて、幾度となく試合をし、その前の恐怖や不安と向き合ってきた。その度に緊張で眠れない夜も過ごしてきた。
そしてたまに父の言葉を思い出す。試合を楽しみ、ホームでの応援をちからにできる人間。そうなれたらいいなとは思ってた。
「来週試合があって…。」
この言葉を発する時はだいたい一緒にご飯に行ったけどあまり食べられないことを告げる時や呑みの誘いをお断りする時なのだが、その際には有難いことに皆決まって”頑張って”という応援の言葉をくれる。今回の試合前にも多くの方々にかけていただいた数々の頑張れの言葉。それがなぜか今回はすんなりと自分の中に入ってきた。自然と頑張ろうと力が湧いてきた。これが応援のちからなのかと10年以上が経ちようやくあの日の父の言葉がわかった気がした。もしかしたら最後になるかもしれない試合の前に。不思議なものだなと本当に笑えてくる。もっとはやくわかることができてれば結果が変わった試合もあったかもしれない。でも、同時に最後にわかることができてよかったなと安堵もした。試合がこわくて、練習が嫌で泣いてたあの頃からは少しは、ほんの少しは成長できたと初めて確かに実感できた。
そう思うとあんなにこわかった試合もなんだか楽しみになってきていた。
ということで試合も終わり有難いことに全日本学生への出場権をいただくことができました。
試合が開催されるかもわからないという初めての状況を経験し、2年ぶりに出場する個人戦となった今回の大会でしたが、昨年の経験を経て試合ができる有難さについて改めて考える良いきっかけとなりました。
試合ができることに感謝し、悔いが残らないよう残りの柔道生活を堪能したいと思います。
これからもご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。