失礼致します。文学部3年の岡崎改め日誌でランキングを使用する人が増えて嬉しいインフルエンサー岡崎です。

どこかの雨男のせいで台風が三つも来ましたが、ようやく気象も落ち着き本格的な秋が訪れようとしています。

そして、秋といえば我々にとって重要なイベントが。

言わずともお分かりの早慶戦というやつです。

つまり、チーム澁沢の最後の試合というわけですね。
それはつまり、今代もあと1ヶ月足らずで終わってしまうということ。

それもあってか、最近の日誌のトレンドは四年生への想いだったり、早慶戦への意気込みだったり。

ということなので、天邪鬼の私はそれらとは全く関係ない話題でも出そうと思います。

先に言っておくと、今回は多分めちゃくちゃ長くなると思いますので、ご容赦ください。面倒な方は以下の点線で挟まれた部分を端折ると楽です。

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さて、巷では即位礼正殿の儀だったり、某芸人の怠慢ぶりが明らかになったりと日々さまざまなニュースが流れていますが、私が最近最も心惹かれたニュース、もとい諍いごとは別にあります。

それは、一言で言うならば「Zeebraの圧力問題」です。

なんだそれは、と、感想を抱く方がほとんどだと思います。
それもそうでしょう、この問題はお茶の間を彩るニュース番組で紹介されるような大々的なものではありません。

それは、日本のHIPHOPという文化圏において勃発した、ラッパー(MC)同士の些細で、それでも当人らにとっては沽券に関わる揉め事です。

皆さんはMCバトル、と言うのはご存知でしょうか。

知らない方の為に簡単に説明すると、MC同士が即興のフリースタイルラップをぶつけ合い、そのラップの技巧や口喧嘩という観点においての論理の優位性などを評価基準にして勝敗を定める、いわば言葉の格闘技です。

MCバトルは時に若手MCの顔を売る場、そして賞金を得る為の機会もといシーン活性化の手段として用いられ、全国規模でも大会が開催されています。

その大会の中でも、その知名度、レベルともに高水準な大会の一つとして、「ADRENALINE」というものがあります。
平成世代のHIPHOPの祭典として、10年前から数々の名バトルを生みファンの心を鷲掴みにしてきたイベントでした。

そんなADRENALINE も10周年の今年で幕引きと相成りました。
最後ということもあって、組まれたトーナメントは史上類を見ない程の豪華なメンバー。
またそれとは別に、界隈では知名度実力ともに有力な「梅田サイファー」というグループとアドレナリン選抜とでエキシビジョンマッチが行われることになりました。

その中の1戦の組み合わせに、「??? vs RAWAXXX」という文字が。

この文字列は、事情をよく知るファン達は狂喜乱舞するほどのものでした。

というのも、「???」に当たるのが日本一のバトルMCと評され、更に相手のRAWAXXXとも因縁のある「R–指定」であることが確実視されていたからです。

まず、R–指定について説明しましょう。

日本一のMCを決めるMCバトルの大会は現在いくつかの団体がありますが、最も権威がある(諸説あり)とされるものに「ULTIMATE MC BATTLE」(以下UMB)というものがあります。

R–指定は、 そのUMBにおいて前人未到の三連覇(2012〜14)を達成した名実共に最強のMCなのです。

現在は平場のバトルは引退し、テレビ朝日の「フリースタイルダンジョン」という番組においてのみチャレンジャーの行く手を阻むラスボスとしてバトルに携わっています。

そして、その強靭な戦績故に様々なMCとの因縁を持っているのです。
その中に、「RAWAXXX」というMCの名前があります。

RAWAXXXもまた名実共に強者としてシーンに君臨しています。
日本一の経験すらないものの、様々な大会で好成績を残し、また媚び諂わない硬派な生き様がファンを惹きつけるMCです。

RAWAXXXも2012年当時UMBに福岡県代表として出場しており、見事決勝進出を果たします。
そして、その決勝の相手がR–指定だったのです。

RAWAXXXはその決勝戦で敗れ、R–指定はその優勝を機に三連覇を果たすことになります。

それ以降、2人は再戦すること叶わず、結果としてR–指定の勝ち逃げという形で2人の勝負は幕を閉じてしまいます。

それが今、エキシビジョンマッチという形で再戦の場が組まれたのです。
メジャーデビューも果たし、今やスター街道をひた走るR–指定と、アンダーグラウンドでひたすらに我が道を貫き通すRAWAXXXという構図の対比もあり、ファンの熱気は開催前にして最高潮に達していました。

が、その盛り上がりもつかの間。
そういった大会要項の載ったフライヤーが公開されて数日後、謎の更新がありました。

???と対戦予定だったRAWAXXXの名前は、晋平太という別のMCに変わっていたのです。

晋平太もまた、R–指定と因縁があり名実共に日本トップクラスのMCではありますが、問題は当初の予定が全て覆ったことにありました。

結果として、RAWAXXXはトーナメントの方に参戦。???は予想通りR–指定であり、晋平太との因縁の対決が繰り広げられました。

それはそれで大変なベストバウトだったし、トーナメントも屈指の名大会となってアドレナリンは幕を閉じました。

ただ、ファンの中では確かな満足の中で、「RとRAWAXXXの戦いが見たかった」という、僅かなわだかまりを心に残しながら、その日を終えていきました。

ただ、それだけで終えていたなら、そんな懸念は記憶の狭間で擦り切れて消えていったでしょう。アドレナリン有終の美という、その思い出の代償として。

問題は、その数日後。

件のRAWAXXXのツイッターにて、その事件は起きました。

彼が呟いたのは、ある種の告発。
それは、自分とR–指定との対決が取りやめになったのは、日本のHIPHOP界の重鎮、Zeebraの圧力によるものだ、というものです。

Zeebraは黎明期から日本のHIPHOP文化を支え続け、その発展に尽力してきたMCの一人で、前述の「フリースタイルダンジョン」の企画者、そして司会でもありました。

RAWAXXX曰く、自分の番組のラスボスであるR–指定を番組以外で戦わせるわけにはいかない、ならば一度番組で対戦している晋平太にしようとする為に大会側、もしくはR–指定に圧力をかけた、というのです。

更に、R–指定が晋平太とのバトル中に放った「一度勝った雑魚よりも一度も勝ってないアンタ(晋平太)とやりたい」という発言も問題になりました。

要は、「自分から対戦を避けた(疑惑)くせに、本人がいない場でそういうことを言うのは筋が通ってない」、という批判があるのです。

この件に関して、Zeebraは関与を否定します。(このセクションで別のMCに火をつけてしまうのですがそれはまた別のお話)

どちらにせよ、どちらの言っていることにも物的証拠はない為、ファンを疑惑に包んだまま、事態が収束していくと思われたその矢先、新たな爆弾がなんと大会公式から投下されました。

それは、アップされたMCバトルの試合動画に付随する舞台裏の裏話的なセクションで、大会関係者が「???(R–指定)はRAWAXXXを怖がって、また自分が嫌われてると思って対戦を拒否した」という情報を流してしまうのです。
また、このタレコミに関して、流した本人はこれがオフレコであることを確認し、また憶測の域を出ないということは明言していましたが、それにしてもその情報をファンの元に届けるという判断を大会側が下したという事実も含めて、問題は再点火しました。

「だとしたらR–指定ダサすぎる」
「Zeebraは結局関係ないのか」
「根も葉もない情報を流すな」

といった様々な意見が噴出し、それは最早日本のMCバトル界隈の一大トレンドになりました。

そんな中、R–指定と同所属である梅田サイファーの1人、pekoが「しっかりと事実を説明しろ」と運営側に投げかけ、そこで漸く運営側のMCであるACEが反応しました。

「事実確認をしてから説明します」

いや、アンタも事実確認してないんかい。
というツッコミも当然ありましたが、それは置いといて。

結局のところ、事実としては
「自分もアドレナリンに世話になったから最後ということもあって出るが、平場のバトルはもう出るつもりはないし、どうせなら一度も勝っていない晋平太とやらせて欲しい」という要望がR–指定側からあっただけ、という話でした。

RAWAXXXを怖がっているというわけでもなく、Zeebraから圧力があったわけでもなく、ただ単に晋平太とやりたいという要望があったのみでした。

となると非があるのは、対戦自体のアポを取っていないのにRAWAXXX側をブッキングしてしまい、更に言えば根も葉もない裏側の与太話を世間に届けてしまった運営になります。

そして強いて言えば、変に邪推してあらぬ疑いをかけたRAWAXXXに。

勿論、一連の流れに全て物的証拠はありません。私たちがわかるのは、当初ブッキングされていたRAWAXXXが外され、晋平太になったという事実だけ。

因縁の相手と対戦予定であった(望んでいるいない関係なく)にも関わらず、向こう側の事情で外されたRAWAXXXの憤る気持ちもわかります。

が、自分にとって都合の悪い出来事が起きた時、納得のいかない事態に見舞われた時、人は時々見えない敵を作り上げ、悪を仕立て上げて陰謀論を持ち出し、自分を正当化しようとするものです。

元々RAWAXXXはZeebraを、そしてフリースタイルダンジョンを嫌っていたというのもあり、空想の敵に当てはめる十分な対象でした。

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そもそも圧力自体が目に見えないものであるのに、自らが感じてしまった不可解な力の流れを可視化し正当化する為に見えない敵すらもでっちあげ、不確かなものを確立させようとするのはある種滑稽なのかもしれません。

私も時に、納得いかない出来事が起きると、みじかな何かに責任を、原因を転嫁し自分は悪くないと言い聞かせようとします。

けれど、一度冷静に考えてみると、それらの原因は全て自分に当てはめることができ、自分以外の誰が悪いという話ではなく、何が悪いかと言えばタイミングが悪かった場合が殆どです。

何かのせいにして責任を投げるのはある意味楽で、とても生きやすいやり方です。被害者面には罪悪感がいらない。故に、そこに正しさを求めようとします。

けれど、そのままではいつまでたっても進歩はありません。

自分の責任を広げ、その分できることも増え、成果を自分の手の内にする。その中で、痛いしっぺ返しを食らうこともあるでしょうが、それは必要経費であり通過儀礼。

そこから目をそらすとその先の成果には辿り着けない。そんな気がします。

奇しくも、あと1ヶ月で代は変わり、嫌でも責任を負う日が来ます。

その時に、誰かのせいにして楽な呼吸をするのか。

息苦しくても、全部背負って進むのか。

そこに、私の、私達の代の真価が試されるのでしょう。

柔道が弱いのも自分のせい、後輩と潤沢なコミュニケーションが取れないのも自分のせい、だからこそやりがいがあって毎日苦しいけどそこに価値がある。

就活勉強柔道人間関係と、やること多すぎてパンクしそうな毎日ですが、キリキリ舞いになりながら、自尊心が一ミリ大になろうとも、死なないようにちょっと、やってみます。

ふう、久々に長文を書いたので疲れました。

つまり言いたいことは「見えないものに惑わされないで自己責任はしっかりした方がいいよね」って話です。

最近本当にやることが多すぎて息抜きというかヤケになってこんな日誌になってしまいました。
明日も早いので早く寝ることにしましょう。

書き始めたのは12時なのに、終わったのは23時の岡崎でした。おやすみなさい。