同期のみんなより半年遅く、初めて道場を訪れたあの日。

マネージャーの先輩方が、あちらこちらからひっきりなしに名前を呼ばれているのを見て、私もそんな、頼られ慕われるマネージャーになりたいと強く思ったことを覚えています。

 

こんにちは。マネージャー4年の松原です。最後の更新をします。

 

私は柔道部のマネージャーとして活動するにあたり、プレーヤーのほうが立場が上だから、マネージャーは出過ぎたことをして目立ってはいけない、ずっとそう考えてきました。

それは単に私自身の引っ込み思案で人見知りな性格によるところも大きいかもしれません。
しかし、常にプレーヤーに引け目を感じ、希望を叶えられなければ自分の落ち度に悩み、ミーティングでは思うことがあっても何も言い出せない、というのは事実でした。

 

しかし私に対する部員たちは少し違いました。

練習の前後には積極的に話しかけてくれますし、何でも厭わず手伝ってくれます。
相談事はいつでも聞いてくれますし、元気がないとお食事に誘ってくれます。

何より、いつもありがとうと声をかけてくれます。

部員たちは、私に、私が予想していたよりも対等に接し、部員と同じだけの居場所をくれました。

 

部員たちは、驚くほど個性的で、それぞれが素晴らしい良さを持ち合わせています。
リーダー性のある人、論理的な意見を言える人、親身に相談を聞いてくれる人、場を和ませてくれる人、さりげなく助けてくれる人……挙げればきりがありませんが、尊敬できる部分がたくさんあります。

試合ではそんな部員たちの、真剣な表情、果敢に立ち向かう姿、最後まで諦めない強さに数え切れないほどの感動をもらいました。

部員を支える立場のはずなのに、私の方がずっと部員たちに支えられ、励まされてきました。

私はいつしか純粋に、みんなのことが好きだから私に何かできることがあれば、そんな気持ちだけで仕事ができるようになったと思います。

今は柔道部にいられること、部員たちと関われることが、本当に幸せです。

余談ですが、就職活動の面接でもそう答えました。

「今一番楽しいことはなんですか。」
「柔道部の部員たちと過ごす時間です。」

 

 

あと1週間。

現役柔道部マネージャーとして、私が柔道部にできる最後の恩返しは、早慶戦という伝統ある大舞台を成功させることだけです。

主務、副務たちとともに、この日のために、OBの先輩方、業者さん、講道館や早稲田大学の方々と話し合いを重ね、準備を進めてまいりました。
改めて、本当に多くの方々の支えによって成り立っていることを実感し、感謝の念に堪えません。

私は毎年受付担当のため、しっかりと試合を見ることは難しい立場ですが、背後に死闘を繰り広げる部員たちの熱気を感じ、沸き起こる観客の歓声を聞きながら、試合の進行状況について早稲田の主務さんと想像を巡らせ楽しんでいます。

ひとりひとりが自分自身の役割を全うすることが早慶戦の成功に、そして勝利に、つながるのだと思います。

慶應義塾体育会柔道部マネージャーとして、選手や係員の活躍に恥じないよう、私も最後まで仕事を全うしてまいります。

部員日誌をご覧のみなさん、ぜひ当日は会場までお越しください。
お待ちしております。