こんにちは、商学部4年の高です。

今回は僕の大好きな塾柔道部について、少し話していきたいと思います。あくまで個人の意見ですので、皆様何卒ご容赦ください。

さて、「慶應義塾體育會柔道部の良さ」とは何でしょうか。もちろん単にいいところをあげればキリがないのですが、他の柔道部にはない強みこそが慶應義塾體育會柔道部ならではの良さであると考えます。

 

7年間、大いに経験させていただき、ひたすら考え抜きました。僕が考える慶應義塾體育會柔道部の良さは大きく3つです。

1つ目は「歴史」。慶應義塾體育會柔道部は日本最古の運動部であり、慶應義塾體育會の部番号1番を背負っています。長い歴史の中でたくさんの卒業生が生まれ、卒業後は三田会のOBとしていつも現役生の活動に多大なるご支援をいただいております。塾高時代から数えて7年間、塾高柔道部を励ます会をはじめ、数多くの機会を通じてこの「特別さ」「有難さ」「素晴らしさ」を感じて参りました。道場までわざわざ足を運んでくださり、全く代も被っていない先輩から自分の名前を呼んでいただき、激励いただける。高校生の僕にとってそれはひたすら驚きであり、とても幸せなことでした。

 

「塾柔道部の出身だから。」
傍から見ればたったそれっぽっちの繋がりかもしれませんが、そのつながりが僕たちの学生生活を、人生を豊かに彩ってくれます。本田先輩は高校時代の僕たちに「いつか塾高柔道部で頑張ってよかったと思う日がきっと来る。」そう話してくださりましたが、その日が来たのは果たしていつだったでしょうか、もう忘れてしまいました。

先輩たちが紡いできた偉大なる歴史を享受できる、そしてそれを還元することができる。これは間違いなく塾柔道部だけの宝であり絶対に揺るがないものです。

 

2つ目は「学生主体の組織体制」。大学の一部活動であるにもかかわらず、学生が主体となって一つの組織を運営することができる点は、他の柔道部にはなかなかない特徴なのではないでしょうか。もちろんOBの方々の支えあっての塾柔道部ではありますが、あくまで主体は学生であり、人数が比較的少ないこともあって選手含め全員が部の運営に携わることができます。直接自らの手で組織を動かし、組織に貢献できる経験を学生のうちにできる点は大きな強みであると言えます。

 

しかし、少人数の組織故の難しさだってもちろん存在します。
例えば責任。人数が少ない分一人一人が抱える仕事は多く、ミスをした時の責任も大きくのしかかります。また、早慶戦や練習に対する責任も人数が減っていくにつれておのずと年々大きくなっています。體育會に所属している以上成果を出すことが絶対であり、時にはそのために他の活動を制限しなければならないケースも珍しくありません。1つのことに真剣に取り組むことはかっこいいですし、それが體育會のあるべき姿であることは理解していますが、同時に危うさも孕んでいるから難しいのです。ここ数年では部への責任感や求められるレベルが高くなることが原因となり、仲間を失ってしまうことが多々ありました。過去にならなきゃわからないことだったのでしょうか。

 

僕は塾柔道部という「組織」にどのように貢献できるかを学ぶべく、研究会では「組織文化論」という学問を専攻しています。どのような属性の組織の時にどのようなリーダーシップが組織を活性化させるのか、体育会のような強い文化を持った組織においてどのようなフォロワーシップが求められるのか、とても興味深い学問です。
研究会では代表として、柔道部では役職なしとして。与えられた役割の範囲内でどのような立ち回りをすることができるか、するべきか。常々そんなことに頭を悩ませながら試行錯誤した2年間はとても楽しく充実した日々でした。なかなか上手くやれなくてごめんね、同期。

何はともあれインプットとアウトプット、トライ&エラーを高いレベルで同時に行うことができる。これも塾柔道部の大きな魅力であることに間違いはないでしょう。

 

3つ目は「多様性」、現代風に言えばダイバーシティです。
塾柔道部には初心者から全国大会覇者まで、離島生まれからインド育ちまで本当に多様なバックグラウンドを持った人材が在籍してします。おかげさまで週6日飽きずに笑いの絶えない日々を送らせていただいております。

【多様その①:学部】
慶應義塾大学には全10(多分)の学部がありますが、塾柔道部にはそのだいたいの学部生が揃っています。僕は商学部に所属しているので、商学部以外の授業やゼミの話を聞くのはとても新鮮ですしSFC生がSFCトークをしているのは密かに羨ましかったりします。

理工部生や薬学部生の忙しない日常を見ていると、自分の学部は暇なのかと思うこともあります。他学部生からバ〇商と言われ、自分の学部は簡単な学部なのかと勘違いすることもあります。
しかし、決して学部に優劣などありません!!何を学んで何を得たいのか、そのためにどんな授業を取ってどんなゼミに入るのか。そんなことを考えながら履修申告のページをさまよっている部員たちを見て、柔道にも勉強にも本気で取り組める塾柔道部は素晴らしい環境であることを再認識しております。

 

【多様その②:頑張っていること】
生い立ちから育ちまで本当に三者三様の部員たちですが、唯一共通していると断言できるのは「何かに対し全力で頑張っていること」です。

強くなるためにひたすら稽古とトレーニングに励む人。
円滑な組織運営のため、誰にも気づいてもらえないような業務にも真剣に取り組む人。
進級するために睡眠時間を削ってレポート漬けの毎日に食らいつく人。
公認会計士や宅建などの資格試験合格に向けて勉強する人。
大学生活を送るため、部活動に参加するために一生懸命アルバイトに勤しむ人。
大学に入ったからには何か一つ研究成果を残そうと研究会活動に没頭する人。
自分の将来の夢をかなえるべく就職活動に向けた準備をコツコツと進める人。

挙げたらキリがありませんが、全員が何かを掴もうと一生懸命頑張っています。

 

頑張ることは当たり前
確かにそうかもしれませんが、当たり前のことを当たり前にやるのが難しいんです。

努力の評価は自分ではなく第三者がするものである
こちらもその通りだと思います。しかし、何の権限があって他人の努力を否定できるのか、とは思います。坪根の言う通りその人の努力や葛藤を他人が完全に理解することなどおそらく不可能で、それを知ろうともせずに端から切り捨てるのは至極愚か。こちとらあんたの為に、声枯らしてるわけじゃねえんだよ。

そんなわけでいろんな人がいろんなことを頑張っている環境でお互いに刺激を与えあい、高め合うことができる。これは最も誇らしい塾柔道部の良さであると胸を張って言いたいと思います。

 

さて、多様性を良さの一つとして挙げましたが、まさに現役の後輩たちは皆それぞれ独特の魅力で溢れています。僕は周りが思っているよりも後輩のことが好きで、どれくらい好きかというと全員のいいところを言えてしまうくらい好きです。

いつも周りを見て、自ら率先して動く誰よりも素直な理系男子大誠。
伝われこの想い。下心ゼロの広く暖かい優しさ勇人。
決してタップはしないド根性。経験で語る漢の中の漢楓。
潜在能力、いじられ耐性ともに◎。脱いだらすごい変態紳士大雅。
鋭い目に宿るアツい闘争心。冷静かつ大胆な勝負師ムネ。
誠実。ひたむき。ムキムキ。実はかわいいところもあります惇暉。
溢れ出るはれやかさ。道場に笑顔を咲かせてくれる女神花ちゃん。
誰とでも仲良くなれるコミュ力と懐の深さ。増量して一皮むけた男前井口。
鍛え上げられた鋼のメンタル。小さい子から大人気なお兄ちゃん入道。
場を和ませる天才。先輩からも後輩からも慕われる人柄の持ち主ひろの。
実はめちゃ賢い、実はかわいい。頼れるギャップモンスター美里留。
反逆の狼煙。確固たる強い意志を貫く神をも恐れない革命家なごみ。
キャラ、演じてます。人間味溢れるムードメーカー俳優謙太。
絶対にブレない自分論。コンプラ無視のニューヒーロー澤田。
隠れた超努力家。塾柔道部が誇る前代未聞のポイントゲッター凱一。
知性あふれる上品な振る舞いとはじける笑顔でみんな彼女の虜ふーちゃん。
何でも話したくなる物腰の柔らかさ。性格からは想像つかないダイナミックバッカ―南雲。
奇人。塾柔道部随一のフィジカルと度胸を擁する鬼神陸雄。
ツンデレ恭平。
愛と努力の結晶。柔道を愛し柔道部に愛された孤高の闘神大志。
底なしの好奇心と確かな積み重ね。不思議と人を惹きつけるカリスマ蓮太郎。
圧倒的な日本語力と向上心。韓国からのスーパー留学生ジュンとミン。
倒れても何度だって立ち上がる不屈の古賀塾魂。期待の次世代エース陸斗。
底が知れない柔道センスとギャグセンス。みんな大好き純真ストイッカー智宏。
日々自分と闘う姿に尊敬。誰よりも気配りができる欠かせない存在いのくま。
ノリの良さと連絡の丁寧さナンバーワン。義理人情に厚いナイスガイコリー。

多少偏見もありますが、こんな素敵な後輩に支えられて活動しています!
(訂正・文句・クレーム等あればいつでも受けつけますので遠慮なくどうぞ!)
現役の先輩として関わることができる貴重な残り2か月、たくさん相手してくれると嬉しいです。

 

そしてこの多様性を大切に、いつまでも守り続けてほしいです。1つの価値観にこだわるあまりに多様性を否定し、個人の価値観や努力をないがしろにしてしまう組織にきっと未来はありません。例え努力のベクトルがどんな長さでどの方角に何本向いていようと、お互いを認め合い、応援し合えるような組織になったらいいなと思います。

 

若き血を絶やすな。