平素よりお世話になっております。
3年経済学部の長谷川大雅です。
3月になり、気温の暖かさを感じる一方で絶賛花粉症に悩まされている今日この頃でございます。
さて、先日就職活動の気晴らしに東京都現代美術館で開催されている坂本龍一の音を視る、時を聴くという展示会に行きました。芸術には疎いもので知識もあまりないためにたまに興味を持った展示会に趣いてリラックスをしたくなるのです。
坂本龍一は、”戦場のメリークリスマス”という楽曲を遺し、イエローマジックオーケストラというバンドを輩出したというイメージしかありませんでした。
そんな坂本龍一が様々なアーティストと協働して音を展示空間内に立体的に設置する試みを行うというものでありました。
まず、展示会の中に入ってみるとそこは真っ暗で死に直面し徘徊する老人の映像が流れていたりとかなり不気味な光景が見られました。そして、次の展示会は水がいっぱいまでに敷き詰められている石板があり、音を奏でながら水滴が垂れているような光景が見られました。音を立体的に見せるといいつつも独特で不気味な音楽と共に奏でられていました。
その後も夢と現実の狭間を音楽と共に表現したブースや自然を破壊する人間達によって殺された動物達の剥製の半身が白骨化している映像、坂本龍一のニューヨークのスタジオの風景をスマートフォンで撮影した映像を様々な音を使って表現されているブースといった説明文を読んでも奥が深く、よくこのような事が考えつくものだと驚嘆するものばかりでした。その中でも、特にすごいなと感じた展示物は霧と光と映像をはらんだ9つの空中ガーデンが、謎の音と共に変化し続けるといったものでした。その音にリズムや旋律といったものはないにも関わらず、霧と光の映像は1ミリのズレがなくシンクロされていました。空間全体を体とするならば音は胎内に居るような感覚でした。スマホで聴く音楽とは違く、心の臓まで音が鼓動される感覚がしました。
音に生命を宿らせて生き物の身体に入り込んだような体験をし、世界についての考えが広がったそんな貴重な体験でした。
気温差が生じやすいこの季節ですが、どうかお身体に気をつけてお過ごしください。