こんにちは、成宮陸雄です。最近六徳舎では、風呂で皆んなで歌を歌うのが流行になっています。仲間と一緒に湯船に浸かり汗を流しつつ、歌声と共に1日の疲れを吹き飛ばすのは気持ちがいいものです。

本日、全日本学生大会が終了しました。塾柔道部の結果は初戦敗退という非常に厳しいものとなり、今後行われる個人戦や早慶戦に向けて部の強化が急務であることを、戦った選手をはじめ皆が実感したと思います。私は実際に畳の上で戦うことはできませんでしたが、観客席からではなく選手の一員として、初めて同じ高さのすぐそばから試合を見ることができました。感想としては、ただ「不甲斐ない」これにつきます。大将だった1年生の宗広に勝負を託してしまったこと、3年生という部を支える立場にある学年でありながら、相手から1勝もあげられなかったこと、何よりもそれをただ見ることしかできなかった自分が、どうしようもない程に不甲斐なく思いました。

この現状を打破するべく、来週からは厳しい稽古が始まることでしょう。しかしそのような厳しい稽古をただこなすだけでなく、量と質を保ってやり抜くのはとても難しいものです。一流の選手でも大変なことだと思いますし、それを我々ができるのかと考えてしまうこともあります。しかし、それをやり切ることができる人も中にはいるわけです。今回の大会で優勝したのは、近年連覇を続けていた東海大学ではなく、王座奪還を掲げていた国士舘大学でした。彼らが稽古をしているところを実際に見たことはありませんが、試合後の選手たちの喜びから、大会優勝を目指し昨年から積んできたあらゆる努力の凄まじさが伝わってくるようでした。その努力を支えていたのは、おそらく日本一を目指す高いモチベーションだったと思います。

稽古をやりきれない人間に足りないもののひとつはこのモチベーションなのでしょうが、重要なのはモチベーションというのは誰かから与えられるものでは決してないということです。これは試合の帰りの電車で同期の藤井と話したことですが、柔道の稽古や日頃のあらゆることについて、こんなことをしても意味がない、自分が必要だと思うことに全力を注ぎたい、と思うことは誰にでもあるはずです。効率を考えて無駄なことはしたくない、という考えは間違ってはいないと思います。しかし塾柔道部という組織にいる以上、皆がやりたいことを自由にできるようにするというのは残念ながら難しいですし、努力の効率を高める上で、その意味を見出して主体的に取り組むこと以上に効率を上げられることはないのではないでしょうか。意味がないと決めつける前に、まず頑張って意味を見出すところから始めるべきでしょう。

日々の稽古に自分なりに意味、モチベーションを見出せるかどうかは本人次第である、これを肝に銘じて今後の稽古に取り組んでいきたいと思います。

今回はこれにて失礼いたします。