ジトっと湿った空気感が例年の厳しい練習を思い出させるとともに、いつもと違う毎日に少しの寂しさと復帰後の予定立てに勤しんでいる5月末です。

皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。

やはり人と会うことが恋しいですが、私は比較的楽しく寮生活を営んでいます。

 

他にご紹介できることも特にないので今回も寮生活の様子をお伝えしたいと思います。

寮には寮飯というものが存在し、私たちのお腹を満たしてくれています。しかしながら、毎日寮飯を作っていただくわけにもいかないので週末は私たち寮民が協力しあい寮飯という名の作品を作り上げる一大イベントが開催されています。本イベントでは週末になると岡崎先輩を筆頭にメニューの企画が始まり、賛成多数で案が認められると当日役割を決め時間をかけて丁寧に作品を作り込んでいきます。当日の仕入れの状況によってはメニューに少しの変動が加わることがあるのですが、致し方ありません。そのまま実行するのみです。どのみちおいしいという結果を出せばだれも文句を言いません。

おいしさがすべてなのです。

今回は先日のイベントの様子をお伝えします。

先日作り上げたのは、カレー、ハンバーグ、刺身です。

読者の方々からの「だれだって作れるだろ」というツッコミが入りそうなところであり、全くもってその通りなのですが、少し違います。

これらの一見誰でも作れそうな料理を磨き上げるのが私たちの使命なのです。これらの料理を作り上げるのに買い出し込みで実に4時間を費やしています。研ぎ石を新調し、ガスコンロに加えてI Hのコンロも追加、鍋も追加、まな板も追加購入するなど力の入れ具合は半端ではありません。

今回の目玉は初挑戦のハンバーグです。

ポイントはつなぎを使わないことです。こうすることにより素材の味を楽しむ作戦です。

料理長の岡崎先輩が手際よく肉をこね、どんどんきれいなハンバーグにしていきます。そして熱されたフライパンに並べられて彼らはおいしく育っていきました。

まだまだ料理は始まったばかりです。

そう、本イベントで一番時間がかかるのはカレーです。特に玉ねぎのくせ者具合は半端ではありません。しかし、彼がいなければ六徳舎カレーは成立しません。何時間もかけてじっくり炒めます。じっと焦がさないようにかき混ぜ玉ねぎを可愛がります。じっくりです。実は私はこの役回りは少し苦手です。なぜか私は特に玉ねぎに泣かされやすい体質で、鍋の前に立つとものの3秒で号泣してしまいます。いろいろな対策を試してみましたがだめでした。どなたか博識な方がいらっしゃいましたらお教えください。

なかなか苦戦がしいられるカレー作りですが、私はそれを横目にお魚捌きタイムです。

太平洋を横目に悠々育った私は魚を捌くことが小さい頃より好きで、魚を捌くためにわざわざ処理されていない魚をねだる幼少期でした。その経験もあって本イベントでは魚を扱うことが多くなりました。ちなみにですが剛さんも捌くのは上手です。しかし、先輩のお手を煩わせるわけにもいかないので私がお魚のオイニーと戦いながら捌いております。

今回お手合わせしたのはコウイカ(スミイカとも呼ばれる)とブリです。先週はアジとホウボウに辛くも勝利いたしました。今回はイカとなんとも強敵。それに加えすみの威力が凄まじいことで有名なイカを扱えるとはなんたる幸せでしょうか。戦い方がわからなければ待っているのは敗戦の二文字。YouTubeでさばき方を調べます。ここから得られた重要ポイントは墨袋を潰さないことと薄皮をきれいに剥がすことだそうです。1匹目は苦戦しながらも丁寧な包丁捌きを心がけた結果美味しそうなお刺身が完成しました。ここで安心してしまったことが後から思い返せば苦戦をしいられる原因だったように思います。2匹目のイカに手をかけ捌こうと意気揚々と包丁を入れたのちにじわーっと黒い液体が純白のイカの体を伝っていることに気が付きました。やってしまった。あれほどまでに気をつけていたはずの墨袋を破ってしまった。しかしここはやってしまった後の処理スピードが勝負です。辛くも身と切り離すことができシンクの大掃除という代償を払ってこちらのコウイカさんにも勝利いたしました。

きれいに盛り付け、どっと押し寄せる疲労感と達成感を感じながらリビングに向かうと気がつけば魚の匂いとは打って変わってカレーのいい匂いが部屋中に漂いディナーの完成を知らせていました。

いざ実食、うまい、うますぎる。中でもハンバーグはさすが料理長が作ったということもあり素晴らしい出来で、おそらくこれだけでも店出せるんじゃないかというレベルでした。カレーはちょっぴり大人の味で家庭では出せないレベルの都会の色気のようなものが漂っていました。少し回りくどい表現でしたが、おいしかったということです。刺身はやはり素材がものをいう料理なので抜群においしく、30分かけて作った刺身が2分で完食されてしまい、嬉しくもあり少し悲しくもありました。

 

総括:全部うまい

 

作った料理とは打って変わって大味な総括でしたが、やはり言いたいことはみんなと何かをやり遂げるということは大変なものですが、達成した後には成果と達成感と不思議な絆が得られます。

これは我が柔道部にも言えることです。皆で協力し素晴らしい部にしていくことが新型ウイルスを経験した私たちだからこそできることであり、使命のように感じています。

これからも精進していきたいと思います。

応援のほどよろしくお願い致します。

 

長文失礼しました。