こんにちは。呉銅敏です。最近部員日誌が回ってくるペースがすごく早くなっております。

最近、僕にとって柔道をやることも、この部員日誌のように感じられておりました。今日の練習が終われば、明日の練習も目の前のように感じたり、もちろん部員日誌のように、毎回毎回最善を尽くそうという気持ちで臨んでいるつもりではございますが、毎日が柔道から始まる人生は大学からで、未だに慣れていない気がします。

その中で、昨日、オリンピックを3連覇された、野村忠弘選手の講演を聞かせていただきました。実は僕、柔道部ながら野村さんを昨日初めて知りました。しかもこないだ、蓮太郎さんとユーチューブを見ていて、なんか知っている顔の人がサムネイルにいるのを発見し、「え!朝飛道場にくるおっさんじゃん」とか言ったら、蓮太郎さんに「お前今、高藤直寿を朝飛道場にくるおっさんと言った?」と言われました。昔は結構柔道の動画をみることが好きだったのですが、そういえば最近全然見ていない気がします。座学も再開いたします。

さて、塾高のなんちゃらホールにて、講演が行われました。思っていたより、塾高から多くの学生が来て、大体の席が埋まっていきました。ホールの設備とかを見ながら、すごくよくできたなあと思っていたら、後ろから野村さんが登場しました。まだ階段を下りられていた時、姿が見えなくて僕もなんか緊張していた記憶があります笑

野村さんは、専門学者でもないですし、稽古に来られたわけでもないので、柔道を教えてもらうわけにもいかないし、もちろんそういうところは期待しておりませんでした。ただ、同じく柔道をやっている、もしくはやっていた立場としての面白い話、そして柔道をやっていく上でのモチベーションなどが得られるのであれば、それでも満足だなと思っておりました。その面に限って考えれば、野村さんの講演を大満足でした。

特に印象に残った話は、野村選手の大学生時代、細川伸二先生と交わした話の内容でした。

野村選手曰く、天理大学は選手が多すぎて、先生から細かい指導をもらうことができなかったらしいです。しかも、野村選手は当時、全然強い選手ではなかったため、なおさら先生たちから見てもらうことができなかったのです。しかし、それは野村選手の勘違いでした。高いところで、皆を見ている立場に立ったら、皆の表情も、行動もよりよく見えてくるもので、野村さんも大学2年生の時に、急に細川先生に呼ばれ、こう言われたようです。

「野村、お前はよく頑張っている。でも、もっと強くなりたいと思うなら、乱取り中に休め。」

野村さんは、最初その意味が分からなかったのですが、先生は

「お前は、練習中に、いつもタイマーを見ているのだ。タイマーの時間に、自分のペースを配分するんだったら、なんのために練習をしているんだい。だから、一本を一試合だと思って練習しろ。それがきついんだったら、一本やって一本休んでもいい。それがいつか、6分の12本、全部できるようになったら、お前は強くなれる。」

日本語が下手すぎて、なにを言っているか分からない方がいらっしゃるかもしれませんが、総じて言えば、タイマーを見るな!でした。それを聞いた僕は、ぎくりとしました。正に、いつもタイマーを見ながら、ペース配分していたのです。練習を頑張りたい、柔道が強くなりたい、とはいつも思っているのですが、どうしてもきつくて、ペースを配分しなければ、本数が少なくなりそうだから。本数だけの練習に何の意味があるのか。一体何を目的としているのか。そうです。目的も、意味も失った練習をやり続けていただけです。

それで、今日すぐタイマーを見ない稽古をやってみました!

実は一回見たのですが、でもそれ以外タイマーを見ないようにして、練習をしました。もちろん今のところは、大きな変化は分からないのですが、やはり投げようと頑張っているところで、ブザーが鳴ると何だか悔しい気持ちになりました。また、もう少し面白くなりました。(もうすぐ終わると分かれば、守りに入ったりしたこともありましたので、、、)これからは、野村さんの話を心に刻み、タイマーを見ない練習をやり続けてみようと思います。皆さんも試してみてください。

おわり