桜が例年より、遅い時期までその香りを風に乗せ、春休みの気分から未だに抜けられていない最近、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 今日ははじめての個人アップロードになりますので、すこし短めに書かせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんは、好きな飲み物があるでしょうか。この間、澤田さんの好きな食べ物を当てるゲームをしまして、正解は意外にもカルピスでした。好きな飲み物ではなく、口に入るものの中でカルピスが一番好きだということです。私自身も、固形物より飲み物の方が好きなので、すごくわかります。

 油っぽい食べ物をたべる時にコーラがないと食べたくない時もあります。勉強する時はモンスターを飲まないと元気になれませんし、疲れた時はあんまいミルクコーヒー!風露上がりにはやっぱり牛乳です!そして汗だくになって溶けそうな時に飲む水は最高!!寒い時に飲むあったかい豆乳は死ぬほど幸せです。

 飲み物の魅力はこれだけではありません。液体を凍らせると冷たい氷になるし、牛乳を入れるとアイスにもなります。そして粉末の形に保管してお水を入れるだけで出来上がる製品は砂漠に持っていきたいぐらいです。

 その中でも、一番すごいと思っているのは、振るとゼリーになる飲み物です。液体の状態のものを冷やして強く振ったら、マジック~~🪄👉👉👉ゼリー

 この炭酸ゼリーにはじめて出会ったのは、たまたま綱島に用事があって、日吉駅のプラットフォームで電車を待っていた時でした。電車が来るまで、結構隙間があって、プラットフォームを歩き回っていました。駅の所々を散歩していた時、ある自販機の飲み物を一個一個見て、あるものが目に入りました。それが炭酸ゼリー。Dydoのグレープ味の炭酸ゼリーです。たまたま現金がなくて、うあぁどうしようって思いながら、炭酸ゼリーの缶をじっと見て心の中に刻みました。

 翌日、柔道部の練習が終わって、帰りしなに炭酸ゼリーを買おうと覚悟しました。日吉駅から六徳舎までの道には、本当に数多くの自販機が設置されています。なので自販機を一個一個確認することに結構時間がかかったことを覚えています。一緒に帰っていたジュンはもう呆れて、「そんな飲み物、あるわけねーだろう。幻でもみたの」と言うほどでした。その炭酸ゼリーの存在は確実でした。もちろん、私が見たのはプラットフォームでしたので、ひようらには売っている自販機がないかもしれません。それなのにもかかわらず、見つかったら奢るからと言って探しつづけました。

 六徳舎までは後3分ぐらい。やはり炭酸ゼリーを飲む人はあまりいないのか、炭酸ゼリーを売っている自販機はなかなか見つかりませんでした。私も自販機で飲み物を買うというのは、喉が渇いたので、どうしても今のみたい!の時だけですので…..

 ほぼラストといってもいいほど、下田寮付近にあった自販機。やはり私は炭酸ゼリーに出会う運命だったのか、なんかいい予感がしてチラッと見た途端、炭酸ゼリーが目に入りました。しかも念願のグレープ味。私はとっても嬉しくて、炭酸ゼリーちゃんが自販機から世界に姿を現した時、私は世界を驚かせるほどの大事な遺跡を発見した冒険者みたいな気持ちになりました。私はその缶を大切にしたいと思いましたが、冷えているうちに振ってくださいと書いてあったので、振って、開けて、飲みました。飲み始める瞬間は、あら?液体じゃないの?と思うかもしれませんが、すぐゼリーが口の中に入ってきて納得します。ああ、本当にゼリーだ!しかももっと固いゼリーも入っているし、しかもしかも炭酸が感じられます。

 しかし、ジュンはいつもこの炭酸ゼリーのことを馬鹿にし、不味いと評価しています。そこまで言わなくてもいいのに…それでも私は柔道練習が終わったらいつも炭酸ゼリーを飲むようになりました。

 最近、綱島にある湯けむりの庄という銭湯に行きました。もちろん、風露からあがってすぐ牛乳を飲みました。でも銭湯では結構長い時間お湯に体を浸かっているので、汗もすごい量流したし、牛乳一本では足りません。なので、湯けむりの庄から出て炭酸ゼリーの自販機までほぼ50分ぐらい我慢して快感を満喫しようと思い、黙々と歩きました。

 寮民は日吉駅から六徳舎まで、すごくだるい道が繰り広げられているということを、つくづく思うだろうと思います。しかも喉が渇いていたのでより遠く感じられました。雨もぱらぱら降っていて寂しい気持ちにもなりました。やっと視野に入ってきた自販機。私は予めポケットから140円をちょうど用意して手で握って自販機に向かいました。

 自販機の前に着いて誰よりもはやくお金を入れてボタン!あら?出てこない!嘘やろう!!売れきれなんて。そうです。炭酸ゼリーは売れきれでした。全ての飲み物の中で炭酸ゼリーだけが赤く光っていました。私は片手には傘を持ったまま、この状況をどうやって受け止めればいいのか分からず、ひたすら炭酸ゼリーの模様の缶を見詰めました。湯けむりの庄からの4、50分ぐらいの辛抱は報われませんでした。素手で帰る道は一層寂しくなりました。

 しかし、ある考えが私の頭の中に浮かびました。私以外にも炭酸ゼリーを飲む人がいるんだ!しかも売れ切れるほど。私は顔も知らぬ仲間が増えた感じがしました。その時の気持ちよさは、50分の辛抱が報われ、渇いた喉を炭酸ゼリーで潤す時よりも遥かに大きなものでした。

 私たちには、つらい状況を肯定的な思考で乗り越え、むしろ幸せを感じる能力があるということに気づきました。新学期で授業やら勉強やらで色々つらいことが首許まで迫ってくる時期だろうと思います。皆様、ぜひとも幸せになってください。それが私の願いでございます。