解けない問題にため息をつく自分が時間を溶かしている、気づいたら今日はみどりの日でした2年の高です。最近の悩みは少し流行に疎いことと「大人数」が極めて苦手なことです。後者について少し話したいと思います。

「大人数」といいましたがわかりやすく言えば「人混み」といったところでしょうか。大人数で遊びに行ったり食事をしたり、多くの人がいる環境にいることが苦手で、具体的にはデパ地下や結婚式、満員電車などでは強い頭痛を感じてしまいます。自分なりに考えたところ有力な2つの理由を見つけました。

1つ目は「空気」そのものに対して敏感な体質であるということ。実際少し潔癖なところもありますし、濁った空気が苦手なところがあります。しかし換気している環境もあるでしょうし、室内屋外は問わず苦しいため関係ないという可能性もあります。

そこで考えた2つ目の理由は「領域」という概念と関わっているのではないか、ということです。

領域とは「ある力・作用・規定などが及ぶ範囲のこと」を言います。国の領地や領空、領海などの決め方は複雑であり法律にも関わってくる非常に大切な概念です。各国同士で領域を侵せば問題になり、争いへ繋がる可能性すらあります。何が言いたいか、つまり僕自身の領域が侵されているから体調が悪くなっている、という仮説なのです。

では僕個人の「領域」はどの範囲なのでしょうか。自分自身をかたどっているこの身体の範囲が自分の領域なのでは、という1つの考え方があると思います。だとすれば、満員電車などの非常に狭い空間で身体同士がぶつかり、圧をかけられることは領域を侵しあっていることになるため気分が悪くなることも納得できます。しかし満員電車のみならず「体がぶつかるほどではないけど混んでいるといえる電車」もきついため、領域を侵されて体調が悪くなっているとするならば自分の領域は身体のみにとどまってはいないということになります。

ここで思い出したのは去年某現代詩人の個展を訪れた時のことです。個展の中でとある一つの部屋がありました。部屋の入り口に「展示品に触れてはいけません」と書いてあることを確認していざ部屋に入ると、天井からは彼女の言葉が裏表に書かれた展示品がひたすらに吊られており、部屋は彼女の言葉で溢れていたのです。「触れたいけど触れられない、触れてはいけないけど触れずにはいられない、彼女の思い(部屋)に多くの思い(観客)が入り、触れ、動かし、それぞれの解釈をする」、そんな部屋でした。「触れてはいけない」のはコロナウイルス対策なのか、彼女からのメッセージなのか、僕にはわかりません。ですが彼女の思いが彼女の身体(領域)に収まる程度のものだとは到底思えませんでした。

少し脱線しましたが要はあの部屋が彼女の領域だな、そう感じたわけです。

もう1回脱線しますが皆さん「準静電界」というものをご存じでしょうか。人間の体の中では常に微弱な電気が生じており、脳が体に指令を出すときや細胞間で情報伝達する場面などでも電気的な信号が生じています。このような体内にある微弱な電気が重なり合い、体外ににじみ出て全身を包むように存在しているのが準静電界です。この準静電界はいわゆる「気配」と呼ばれるものの正体ではないか、とされています。準静電界の範囲が自分の領域であるならば、領域に敏感であるのも少し説明がつく気がします。

さて、何の話でしたっけ。アニメ呪術廻戦の「領域展開」の本質は自分の領域(自分の考えや思い、力や気配が及ぶ範囲)を展開(広げ、他人へ影響させる)するということであるのかもしれません。また、ソーシャルディスタンスという社会全体のルールで人々の間に一定の距離が作られるのは僕としては少しありがたいのです。

 

では最後に

 

その姿は大陸を凱旋する櫻のように勇ましく、湖を虚に彩る蓮のように美しい。これはそびえ立つ山々の頂上で今日平和と人々の健康を志す、そんな英雄の物語である。

 

入学おめでとう1年生!