慶應義塾大学へのご入学、誠におめでとうございます。私、慶應義塾大学経済学部新4年、並びに慶應義塾体育会柔道部の長峯稜と申します。大学2年生から初心者として柔道部に入部したという異色の経歴を持ちます。

 

新入生の皆さんは社会人となる前にこれから4~6年間、この大学で最後の学生生活を送ることになります。おそらく皆さんは少しの不安と大きな期待に胸を膨らましていらっしゃることでしょう。たくさん友達を作ってサークルに旅行に合コンにバイト、このようなリア充な大学生を夢見る方は多いと思います。実は、私も入学時はそうでした。それまで野球を9年間続けてきましたが、もう運動系の活動とは縁を切って楽に遊んで暮らしたいと。そしてバンドサークルに所属し、「模範的な」大学生として楽しもうとしました。しかし、それまでほぼ毎日部活動に明け暮れてきた私にとっては拍子抜けするほど活動頻度が低く、目標も見つからなかったためほとんどなじめず、周りの顔色を窺って楽しんでいるふりをするという空虚で苦しい1年間を過ごしました。やはり毎日熱中できるものがないと楽しくないし成長もできないと思い、2年生に上がった時、より厳しい環境で自分を鍛えるべく柔道部に入部しました。

入部して感じたことは、大学で体育会に所属する人々ですからやはりストイックな学生が多いことです。人に言われなくても自らを律することができる部員が多く、色々見習うべきところがあると痛感しています。私も最近ようやく、向上心を持って自分に厳しくできるようになってきたと思っています。またかなり具体的な話になってしまいますが、目上の方への礼儀は徹底しています。上記のストイックさと礼儀、この二点に加え体力に関しては絶対に非体育会生には負けない自信があります。

慶應義塾体育会柔道部は非常にオープンな環境です。アジアで優勝できるような強い選手もいれば、一般受験の入部者や医学部の学生もいます。初心者の活躍フィールドもあります。私も無段の時には5つの大会に出場させていただきました。昨年末は有段者になってから初めて大会に出場いたしました。有段者の部ではやはり私とその他の力量差を痛感しましたが、その差は稽古に妥協せず日々課題を持って取り組むことで埋めていきたいです。また初心者として柔道を始めたにもかかわらず、早慶戦に出場し、見事一本勝ちを収めたOBの先輩もいらっしゃいます。我々は柔道経験が浅いまたはほとんどないという方でも、心から歓迎いたします。目的意識の高い学生であれば、初心者でも部にとって不要な人材はいないと考えています。

基本的な情報、例えば練習時間等は後の人に任せるとして、最後に言っておきたいことがあります。私は決してサークルを否定するわけではありません。友達を作るのが得意な人はサークルに入り、手っ取り早く、幅広い交友関係を築くのも良い手かもしれません。しかし、柔道部に入部していただけたら、絶対に損はさせません。皆さんにとって本当の意味で充実した大学生生活を送ることのできるもの、それが何であるかをよくお考えください。いずれにせよ我々柔道部は皆さんのご活躍を応援いたします。なお、新歓期間は履修相談なども受け付けておりますので、ぜひ一度お気軽に道場へお越しいただければと思います。