皆さんこんにちは、2ヶ月間しかないと言われる貴重なSummer Seasonの到来にウキウキを隠せずに無鉄砲にはしゃぎ倒した結果、ものの見事にまっくろくろすけに成り果ててしまった環境情報学部の陶です。これからの夏本番を楽しまれるご予定の方はお気をつけください。決して私のように日焼け止めを塗らないなんて馬鹿なことはしないようにしましょう。

 さて、2022年もすでに半分を終えて折り返しを迎えているという事実に驚きを隠せない今日この頃ですが、日本のみなさんはいかがお過ごしでしょうか。お恥ずかしながらこの1ヶ月間は留学生活後半戦にもかかわらず日々の忙しさが増しており、日本の情勢を追いきれずに浦島太郎状態になっている醜態を晒しておりますが、辛うじて多くの同期が就職活動の突破という人生におけるチェックポイントの一つを乗り越えたことぐらいは把握しております。どうやら就職活動を行なった同期のほとんどは無事に“大成功”をおさめたようで部員日誌でも彼らの体験記を一読者として楽しく拝見しています。そんな華々しい日誌たちの中で私はどんな日誌を書き進めようか、例によって現在進行形で考えております。恒例の箸休めタイムでも悪くありませんが、せっかく同期のみんなが書いている就活体験記の流れを崩すのも美しさに欠けてしまいます。そこで今回は皆に倣って私も「就活体験記・海外版」をお送り致します。

 おいおい、留学行ってるだけでまだ就活してないだろ!

 そう思ったそこのあなた、おっしゃる通りでございます。ですが奇しくも運とご縁が重なった結果、私が今働いているインターン先では公的には通常の正社員雇用とほぼ変わらない形式で雇用されて実務についており、いわゆる“海外就職”とほぼ変わらないレベルになっています。この日誌を読んでいる方々の中にも将来海外で働きたいなんて物好きがいるかもしれないので、ワクワクを奪わない程度にお話しできればと思います。

 手始めにどのような生活を送っているのかざっくりと説明したいと思いますが、正直に言って環境は最高ではありません。会社の規模は日本で言うところの中堅企業レベルの不動産会社で、チーム内の事務作業、マーケティングマネジメント、コンテンツ作成の領域を一人でカバーするといった職務内容です。1日最大8時間勤務で残業や休日出勤、定時出退社はないものの三つの領域を網羅するため非常に忙しく、給料もそこまで良くありません。例えるならば1ヶ月分の給料で辛うじて日本航空のビジネスクラスに乗れるぐらいです。このようなお世辞にも羨ましいとはいえない環境に身をおいてはいますが、3ヶ月半の就職活動の中で、約2,000件の応募を送ってそこから2次面接に進んだわずか10数社の中から奇跡的に私を拾ってくれたのが今の会社になります。

 

 さて、そのような天文学的な確率を掴み取るまでの中で、私がどのようなことを重要に感じたのか、ズバリ言うならば

”仕事とは何か?”

”生きるとは何か?”

 この二つの命題に尽きるかと思います。

 北米の就職活動というものは日本とは違い、能力ベースの点取り合戦のようなもので、企業側も採用した次の日から即戦力として働きに期待していますし、面接の時もどんな人柄なのかと同じくらいにどのような能力があるのか、どのような市場価値を持っているのかを重視する世界になっています。数少ない面接の中でも企業に対して自分がどのような貢献をもたらせるのか、非常に具体的な部分に落とし込む必要がある日本とは180度違う様相となっています。このような世界線だからこそ、こちらではその人にとって仕事とは何か、何のために仕事をするのか、各々が確固たるビジョンを持つことが要求され、それは日本特有の「仕事にやりがいを持つ」や「仕事は生きる意味」のような価値観とは全く違うものです。なにせ唐突に「今日でクビ」と言われたり、交渉次第でその日の午後には「やっぱり残っていいよ」と言われる世界線です、一つの会社のみに依存し続ける日本的な文化とは全く異なります。

 そんな中で私自身も自分にとって仕事とは何か常に考えてきましたが、ズバリそれは”Give and Take”という言葉で表現できるかと思います。有名な言い回しですが、ここでは外来語としての意味とは違った意味合いを持っています。

まず一般論的な”仕事”の意味合いとは何でしょうか?

 自分の情熱を対象に注ぐこと、他者や社会に対して貢献していくこと、いろいろ表現はあるかもしれませんが、私は詰まるところ”等価交換”だと考えています。

 私にはこんな能力や知識がある、それを企業のために使う代わりに報酬をもらう。この”能力”と”報酬”が等価になることこそが仕事であり、そこにやりがいや情熱といった定量化できないものを上乗せすることは極論必要ないというのが私の見解です。ではなぜ日本の就活を筆頭としてその人の熱意や人間性を問うているのか、それは“責任”という不定的なパラメーターをどうにか測るためにあると思います。つまり先ほど申し上げた等価交換ですが、実は”能力”=”報酬”ではなく”能力”×”責任”=”報酬”という方程式になっています。ここが本能的な“情熱”という概念ではなく理性的な”責任”となって初めて自分に得となる報酬を得ることができるのです。私はこれだけの能力があり、その能力を発揮することにこれだけの責任を持てる、だからそれを評価してこれぐらいの報酬を望む。この一連の流れこそが、仕事を最も簡略化した一般論的な文脈になります。

 ではここから派生する各人それぞれの最適解ではどこが変わってくるのでしょうか、私は”報酬”の部分こそがその人の最適解を表す部分になると感じました。先ほどまで僕は頑なに報酬が”お金”であるという表現はしてきませんでした。なぜならこの部分は人によって大きく変わります。

安定した未来を報酬として得たければ変動の少ないとされる公務員になる

できるだけ多くのお金を報酬として得たければそれを見込める企業に入る

相手の笑顔や感謝を報酬として得たければボランティアやNPOに勤しむ

このようにその人それぞれの確固たる報酬への価値観があり、それを手に入れるために自分の能力を提供する取引、Give and Takeこそが仕事になる。そしてその取引を行うためにお互いの持ち札を見せ合うことこそが就職活動なるものなのかなと私は感じました。ちなみに僕にとっての現状の最適解は”お金”と”経験”です。現金なやつですいません。

 

 ここまで話すともう一つの命題、”生きるとは何か”という問いに関しては、文字通り人の数だけ最適解が存在するということはご想像できるかと思います。僕たちは幸運にも恵まれて、数年後、数十年後の自分の人生を考える余裕があります。でも少し目線を広げるとそのように恵まれた人が一体世界で何人しかいないのか、考えるのは難しいことじゃありません。中には一年後、数ヶ月後の人生も見通せない世界で理不尽にも戦わされている人だっています。かくいう僕たちも、自分の恵まれた人生に保障なんて何一つないことを忘れてはいけません。

もしかしたら、昨日まで持っていた職を明日失うかもしれない

もしかしたら、今日の帰りに車に撥ねられて自分の情熱を見失うかもしれない

もしかしたら、さよならも言えずに昨日まで笑っていた友達がいなくなるかもしれない

もしかしたら、明日には自分の人生が終わるかもしれない。

最初に私はこの数週間、仕事で忙しくて特に特筆することはなかったと書きましたが、それは嘘です。

本当はいろんなことがありました。

文字通り自分の生きる意味を考えなければいけないような出来事がたくさんありましたし、正直まだ納得のいく答えは出せていません。一生をかけても出せないかもしれません。でも確かに言えることは、

その日1日1日を、その日の一分一秒を無駄にしないように命を燃やし続けること。

自分の人生に”悔い”を残さないように、目の前にある困難を精一杯”楽しむこと”。

それがこの世に残った僕たちが、生かされるのではなく生きていくための、最低限の決意だと思います。

 何ということでしょう、気づけばいつも通りのクサクサMAXフィーバーな文章になってしまいました。また公式Instagramで「クセがある」といじられてしまいますね。ひとまずここまで読み飛ばした方々のために総括をするためにも、最近見つけた心に響く言葉でも載せておきます。意味が気になる人は調べてみてください。

When a lion wakes up in the morning it knows one thing it has run faster than the slowest gazelle or it won’t eat.

When a gazelle wakes up it knows to run faster than the lowest lion or it’s going to get killed.

では、今日も一日頑張りますか、

 

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