お疲れ様です。法学部政治学科一年の木下です。

ここ最近徐々に暖かくなってきており、春が近いことを悟っておりましたが、本日が寒すぎて悲しみに暮れております。

先日恩師のご長男とお話しする機会があったのですが、彼もMr.Children好きということもあり、ミスチルの話題でとても話が弾みました。異国の地で同郷の日本人にばったり出くわしたかのような心地でございました。その際、やはり定番のあの質問が飛んできました。それは、”好きなミスチルの曲Top5”です。ミスチルファンにとって最大の難問と言えるこの質問ですが、この私も、その例に漏れることなく困り果ててしまいました。

あいにく、私はその答えを持ち合わせておりません。なぜなら、ミスチル好きの人と出会うことは非常に稀なため、Top5を決めておく必要性がなかったからです。なんとかその場で絞りだそうとしたのですがやはり決めきれない。

逆に彼に聞いてみますと、すぐに答えてくれました。

私は、「彼は明確な答えを導き出す理系で、自分は答えのない問題を考え続ける文系だからしかたがない!」などという屁理屈で自分自身を諫めるほかありませんでした。

ちなみに、彼のナンバーワンは「蘇生」だそうです。誰もが知る名曲中の名曲ですね(???)

いやはや、これは一本取られた!などと無駄口を叩きながら、私は歌詞を思い返してみます。

ちなみに、蘇生とは、医学的には、”生命を失った、または失いかけた状態から回復すること”を、比喩的には、”一度衰えたり、消えかけたりしたものが再び勢いを取り戻すこと”を意味します。

この言葉に象徴されているように、曲中には、

「何度でも 何度でも 僕/君は生まれ変わって行ける」という歌詞が、幾度となく出てきます。

そして、曲は次の一節で締めくくられます。

「今も心に虹があるんだ 何度でも 何度でも 僕は生まれ変わって行ける そうだ まだやりかけの未来がある」

“人生のなかで幾度となく躓き、自分を見失うことがあるだろうけれども、その度にあなたはやり直せる”という訴えを桜井さんはこの歌の中に込めているのです。

この曲を一番に選んでくるあたりから、いかに彼がミスチル党であるかが分かりますね。

 

今まで私は、この部員日誌にて、何度もミスチルについて書き、言葉について書いてきました。

私がこのような話題を好む裏には、言葉を操る人々への尊敬の念があるのです。

言葉とは文化や人間社会の根源を担うものであり、とても難解なものです。その上、言葉は社会を形作るだけでなく、逆に社会によって変化していくものでもあります。

このような難解無比なものを、自らの手足の如く操ることは本当に素晴らしい技能だと思いませんでしょうか?

ミスチルの桜井さんは、深い洞察の歌詞はもちろんですが、その中でも、何重にも意味を捉え直すことのできる言葉選びをしています。この点がMr.Childrenの真骨頂と言えるのではないでしょうか。

他にはどうでしょうか。

例えば、アナウンサー。

安住紳一郎さんをご存じでしょうか?言わずと知れたTBSのトップアナウンサーですね。

私は、去年の受験中から、安住氏がメインパーソナリティを務める「安住紳一郎の日曜天国」をポットキャストにて聞き始めたのですが、番組中に安住氏から繰り出される言葉の繊細さ、多彩さ、巧妙さには、毎回感動すら覚えるのです。その上、安住氏のトークは規格外に面白く、私なんぞはけらっけら笑わされているわけですが、ひと笑いすると決まって感動の波が押し寄せてくるのです。

他には、落語家や講談師などはどうでしょうか。

私は五歳の時に沖縄行きの飛行機の中で初めて落語を聞いたそうです(それも自ら座席のイヤホンと機械を操作して)。我ながら非凡な経歴すぎます。

そんな私は、立川志の輔さんが大好きです。とても有名な落語家で、NHKの”ためしてガッテン”で司会を務めていた方としても有名です。

彼の落語は落語初心者にも分かりやすいものが多く、新作落語と呼ばれています。

その中でも”みどりの窓口”や”はんどたおる”は傑作ですのでどうぞ皆さんお聞きください。

 

私も日本語を巧妙に操ることのできる人間を目指したいと常日頃から思っております。しかし、その道程はなかなか険しいものとなりそうです。

 

終わり