失礼いたします。甚だ僭越ながら自己紹介させていただきます。私、本年度慶應義塾體育會柔道部並びに、慶應義塾大学経済学部一年の渡辺智瑛(わたなべともあき)と申します。出身高校は慶應義塾高等学校です。以後よろしくお願い致します。
高校時代、先輩方の部員日誌を読んでは、いつか自分もこれを書くのだろうかと、どこか他人事のように思っていました。しかし気づけばそのいつかが本当に来てしまい、今こうして文章を書いていることに少し緊張しております。大学に入ってからは生活リズムが全体的に後ろ倒しになり、自由な時間が増えた分、自分で生活を整える難しさを感じていますが、最近になってようやく大学にも柔道部にも少しずつ慣れてまいりました。
初めての投稿となりますので、今回は私のこれまでの経歴について書かせていただきます。
私が柔道を始めたのは中学校に入学してからです。ちょうど新型コロナウイルスの影響で学校生活が大きく制限されていた時期で、入学してすぐに部活動が始まったわけではなく、生活が少しずつ再開していく中で柔道部に入部しました。お恥ずかしながら、入学当初の私は柔道部に微塵も興味がなく、活動場所を目にしても、それが何の部活かすら分かっていなかったほどです。仮入部期間中も、兄が所属していた吹奏楽部か、楽しそうに見えたテニス部に入ろうと考えていました。
そんな私が柔道部に入るきっかけとなったのは、当時恐れていた先生からの勧誘でした。体重が81kgあった影響か声をかけていただいたのですが、柔道に惹かれたというより、先生の迫力に圧倒されて断れなかった、というのが正直なところです。こうして私は、半ば逃げ場を失うような形で仮入部に参加することになりました。
ところが、その日に行ったえびなどの基礎運動や軽い寝技が、運命だったのか、なぜかとても楽しかったのを覚えています。運動神経に自信があったわけでもなく、むしろ不器用だった私が、少しでも自分の体をうまく使えたように感じられたことが、当時はとても嬉しかったのだと思います。あるいは先輩方にうまく乗せられていただけなのかもしれませんが、その楽しさは確かなもので、気づけばその日のうちに入部届を書き、翌日には提出していました。あれほど断りきれずに参加した仮入部が私の柔道人生の始まりになったのだと思うと、不思議な縁を感じます。
中学校での活動は週2回でしたが、私にとっては大切な時間でした。顧問は理科の先生で、運動神経が決して良いとは言えない私にも分かるよう、柔道の動きを理科的に、時には物理的に説明してくださいました。その説明を聞きながら体の使い方や技の仕組みを自分なりに理解しようと努める中で、私は柔道を考える面白さを知りました。もしこのとき柔道部に入っていなければ、そして恩師に出会えていなければ、今のように柔道を前向きに楽しめる自分はなかったと思います。
試合では、正直なところほとんど勝つことができませんでした。楽しんでいた一方で、その楽しさがなかなか結果に結びつかず、悔しい思いをすることも多くありました。それでも最後に出場したマルちゃん杯では、チームは負けてしまったものの、自分の試合では相手を投げて勝つことができました。大きな結果ではなかったかもしれませんが、私にとっては今でも強く印象に残っている、嬉しい一勝です。
その後、慶應義塾高等学校に進学し、引き続き柔道部に入部しました。実は当時、合格の可能性は決して高くなく、かなりの逆転合格だったのですが、この話は長くなりそうなので、またいつかの部員日誌で書かせていただければと思います。
私にとって、塾高の柔道部は一言で表すなら「新世界」でした。中学では週2回だった練習が一気に週7回となり、柔道に向き合う時間も、関わる人も、それまでとは大きく変わりました。おそらく私以上に、両親のほうがその変化に驚いていたと思います。入学して間もない頃、まだ一度もお会いしたことのなかった古賀先生の結婚式に伺うことになったのも印象に残っています。柔道部に入ったばかりだというのに、急に自分の知らない大きな世界へ足を踏み入れたような感覚がありました。それまで比較的楽しく柔道に取り組んでいた私も、塾高では柔道に本気で向き合う先輩方や、これまで画面の向こうでしか見たことのなかった方々と出会う機会が増えました。
塾高での3年間は決して楽しいことばかりではなく、練習についていくのに必死だった時期や、試合で思うような結果が出ず悔しい思いをしたことも何度もありました。下手で弱いところからのスタートだった私が、柔道の技術だけでなく、強くなるのは簡単ではないということを知ったのも、この3年間です。それでも鏑木先生をはじめ、周りの方々に支えていただきながら柔道を続ける中で、向き合い方も少しずつ変わっていったように思います。
こうして振り返ると、私の柔道人生は自分の意思だけで始まったものではなかったかもしれません。それでも、中学で柔道の楽しさを知り、塾高でその難しさや厳しさを学んだことで、今では柔道は自分にとって大切なものになっています。大学柔道では、これまで以上に高いレベルの中で、自分の弱さと向き合う場面が多くなると思います。それでも、これまで支え、応援してくださった方々への感謝を忘れず、一日一日の稽古を大切にしながら、少しでも成長し、いつかその恩を返せるよう精進してまいります。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
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2026
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自己紹介 渡辺智瑛
WRITER:渡辺智瑛
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