平素よりお世話になっております。理工学部二年の城武卓頼です。新歓や履修登録など、次年度への準備が着々と進んでおりますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
それでは早速ではございますが、今回の部員日誌を執筆させていただきます。前回に引き続き、受験期の記録を残してまいります。
今回は化学についてです。
私は小学生の頃、理科の中でも特に化学が好きでした。炎色反応の面白さや実験の楽しさといった、視覚的に分かりやすい現象に強く惹かれていたのだと思います。また、点数も比較的伸びやすかったことから、中学一年生から三年生の一学期までは、定期テストにおいて得点源としていました。
しかし、二学期に入り、本格的に高校化学を学び始めると、大きく躓くこととなりました。molや物質量、分子量といった概念が登場したあたりです。高校一年生の夏頃まで成績は非常に振るわず、勉強しても質問しても腑に落ちない状態が続き、一時は諦めかけたこともありました。それでもなお、私は化学が好きでした。どうしても理解したいという思いから、化学の先生の添削制度を利用することにしました。
具体的には、朝テスト前に問題を解いたノートを提出し、終礼後に回収して、誤りや改善点について指摘をいただくというものです。これを一ヶ月ほど継続した結果、それまで躓いていた内容が、いつの間にか理解できるようになっていました。
高校二年生になると、化学の担当の先生が変わり、内容も完全に受験を意識したものとなりました。高校一年生の終わり頃には、苦手意識が薄れる程度には基礎が固まっていたため、授業についていけなくなることはありませんでした。前々回の部員日誌でも少し触れましたが、このときの先生は、いわゆる「神教師」と呼ぶにふさわしい方でした。教え方、知識量、指導への熱意、そのいずれをとっても非常に優れており、多くの生徒が「この先生についていけば合格できる」と確信していたのではないかと思います。
しかし、高校二年生の三学期に私は物理と出会い、次第にそちらに強く惹かれるようになりました。それに伴い、化学に割く時間は徐々に減っていきました。もちろん全く勉強しなかったわけではありませんが、もともとある程度得意であったこともあり、物理に多くの時間を費やすようになっていきました。それでも、先生のご指導のおかげで、受験までには足を引っ張らない程度に仕上げることができました。
小学生の頃に最も好きであった化学は、最終的には理系科目(数学・物理・化学)の中で最も好きでない科目となりました。
受験期を通して得たものは数多くありますが、その中の一つが、自分の本当に好きなものを知ることができた点です。より深く学ぶことで、小学生の頃の表層的な価値観が変化し、自分が本質的に理系分野に強い関心を持つ人間であると認識するようになりました。大学における化学は高校の内容とは大きく異なるため、今後さらに価値観が変わる可能性もあると感じております。
小学生の頃は、目に見える不思議な現象を観察することに面白さを感じており、特に実験に魅力を見出していました。しかし受験期を経て、その興味は次第に変化していきました。実験については、結果がある程度分かりきっている内容を、精度に限界のある器具を用いて確認し、その後に形式的なレポートを作成するという側面に、次第に意義を見出しにくくなっていきました。
その一方で、座学を通して現象を論理的に理解し、言葉や数式によって記述していく過程には、より強い面白さを感じるようになりました。現在では、一見当然に思える現象を理論的に説明していくことに、大きな関心を持っております。
理系科目に苦手意識を持つ人の中には、実験に対しては興味を持てても、座学に対して抵抗を感じる方も少なくないように思います。しかし、私自身の経験としては、座学を通して現象の背景にある原理や構造が理解できるようになることで、かえって理系科目全体への興味が深まったと感じています。実験の面白さを感じられるのであれば、その背後にある理論にも関心を持つことで、新たな面白さが見えてくるのではないでしょうか。
なお、化学は例外が多いと感じたことが苦手意識の一因であった点や、高校では扱えなかった化学反応の数式的な説明が可能になったことなど、まだ書きたいことは多くございますが、長文となってしまうため、このあたりで締めさせていただきます。
長文をご精読いただき、誠にありがとうございました。
