お世話になっております。総合政策学部4年の島田です。
ついに、最後の部員日誌となってしまいました。時の速さに驚きを感じつつ、短くも充実していた僕の柔道生活を振り返る機会として、思うところを余すことなく書き記そうと思います。
柔道部との一番最初の出会いは、この部員日誌でした。どなたの日誌を読んだのか定かではありませんが、「なんだか面白そうな部活だ」という印象を受けたことを覚えています。それまではというと、大学入学以降、色々なことをやりました。七夕祭実行委員やKEIO SFC REVIEW(学内広報誌)の編集員、塾講師のアルバイトも経験しました。現在も続く交友関係を築くことができた一方で、どこか「物足りなさ」も感じていました。自分の限界を知りたい、新しいことに挑戦したい、という強い思いが芽生えたのもこの頃でした。ただ、今思い返すと、周りの学生に起業家やNPOを運営しているという状況に感化され、「自分も何者かになりたい」という焦りのようなものもあったように感じます。
そんなこんなで、「未経験のスポーツに挑戦する」という方針を立てました。最初に見学に行ったのは準体育会アメフト部でした。たしか新丸子の河川敷で練習に参加しました。しかし、自分の求めている成長環境ではないと感じ、次に体育会ボート部に体験入部をしました。余談ですが、僕の祖父はかつてボートのオリンピック候補選手だったので、そんなルーツ的な部分に対する親近感から、かなり前向きに入部を検討していました。が、戸田公園からSFCまで約3時間、早朝練習は朝5時から開始、という過酷な日程を踏まえ、学業との両立という自分の軸を実現できないと考え、悩んだ末に入部を断念しました。そんな時、ふとキックボクシングをやっていたことを思い出し、武道系の部活を調べました。上述した部員日誌に出会ったのもこうした経緯です。
柔道部の道場へ行くと、「でかいやつが来たぞ」とざわつく部員の面々。マネージャーや我らがコリー先輩もすぐに「なんのスポーツやってたの?」と話かけて来てくれました。正直、「柔道ね。まあどんなもんか見てみよう」程度に考えていたのですが、いざ稽古が始まると、完全に魅了されました。とくに印象的だったのは、土倉先輩とコリーさんの乱取りでした。巨体が宙を待っている。、、、うん、なんで?としばらく固まったのを覚えています。目の前で実際に柔道を見て、「これだ」という確信がありました。その夜、両親に「柔道部に入部します」と報告。体育会に対しあまり好印象を抱いていなかった両親はかなり心配し、とくに父は、「お前は何を考えているんだ」と、反対の意を示しました。ただ、その日の感動を伝え、学業でも成果を残すことを約束したところ、それなら頑張りなさいと言ってくれました。
翌日、練習後に道場へ行き、主将の杉村先輩と主務の小野先輩と話ました。「うちは部番号01です。歴史と伝統ある部活だから、入部をするならしっかり覚悟を持ってね」と言われ、身の引き締まる思いで「はい。頑張ります!」と答えました。その期間は寮合宿だったので、入部した次の日は部で高尾山に登りました。コリー先輩と澤田先輩と楽しく話をしながら下山したのがいい思い出です。
とまあ、ここまでつらつらと振り返りながら書いていましたが、この調子だと明日の朝までかかってしまいそうなので、まとめます。
一番僕が伝えたいこと。それは、慶應義塾體育会柔道部が大好きだということです。柔道を通じて、1人の人間として大きく成長することができました。楽しいこと、悲しいこと、悔しいこと、辛いこと、不安だったこと、達成感を得たこと、、、、柔道に出会えてよかったとつくづく思います。同時に、僕がここまで続けてこられた過程には、多くの人の助けがありました。感謝の気持ちを込めて、ここに思いを記し、部員日誌の締めくくりとしたいと思います。
<朝飛先生へ>
始めてお会いしたのは、ちょうど打ち込みを練習していた時でした。「君の大外刈りはとても綺麗だ」と言っていただいたのを今でも覚えております。その後、昇段試験に向けて礼儀作法や稽古を見てくださり、柔道の基礎を学ぶことができました。時には厳しく指導してくださり、僕の弱さを的確に指摘くださったおかげで、人間として強くなれた気がいたします。
<笹野監督へ>
監督に「奥をもて!」「先にかけろ!」「いけ!」と言われると、自然と身体が反応するようになってしまいました。普段お仕事をされながら、監督として責務を全うされている姿勢を尊敬しております。今年の寮合宿でお話しできたことが、個人的にとても嬉しかったです。今度登山にご一緒できればと思います!
<フラマン先生へ>
悔しいことに、結局一度も乱取りで勝つことはできませんでした。「シマダゲンキ?」「シマダキモチダヨ」と話しかけてくれたことで何度も救われた気がします。先日の千代田区大会で活躍できたのも、先生がセコンドについてくれていたことが大きいです。いつまでもお元気で!
<勇人先生へ>
トレーニングだけでなく、人の向き合い方を学ばせていただきました。僕には想像できない、高いレベルで柔道をされてきたのにも関わらず、一つ一つの細かい動作を丁寧に指導してくださる姿に毎回感銘を受けました。謙虚かつ誠実に人と向き合える人間になりたいと思います。
<都倉先輩・藤井先輩へ>
留学に行かせていただいたこと、改めて感謝申し上げます。留学で得られた経験は今後の人生の糧とし、また柔道部の更なる発展に貢献しようと思います。
<同期の皆へ>
途中から入ってきた僕と仲良くしてくれてありがとう。最高学年としてのチームへの貢献を半年だけしかできなかったけど、井口・入道・長谷川がいたから今年の慶應はこれまでになくチームとして一体感が出たと思います。最後の早慶戦、楽しもう。これからもよろしく!
<後輩の皆へ>
学年上は先輩だけど、僕からするとみんな柔道の「先輩」です。とにかく、稽古をつけてくれてありがとうございました。トレーニングにも付き合ってくれたり、稽古でアドバイスをくれたり、僕がこれまで成長できたのはみんなのおかげです。
明後日の試合、これまでの集大成として、文字通り全てをぶつけようと思います。自分のスタイルで、正々堂々、真っ向勝負で勝利を掴みに行きます。
ここまでご精読くださり、誠にありがとうございました。
今後も、引き続き変わらぬご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。
では。
島田智宏
