平素よりお世話になっております。理工学部1年の城武卓頼です。夏の暑さのピークは終わったように感じられる今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。私は戸狩合宿にて怪我をしてしまい、部屋で一人退屈を感じながら過ごしております。
この部員日誌が出る頃には、東京都学生柔道大会も終わり、選手たちは一息ついていらっしゃることでしょう。本来であれば、先の大会の感想、考察あたりを書くべきなのかもしれません。しかし、この部員日誌は大会の前に執筆させていただいています。そのため、先の大会について言及しないことを陳謝するとともに、皆様におかれましては、上記のことを予めご了承ください。
前回の部員日誌の続きに入る前に、少し感謝を申し上げさせて下さい。私は戸狩合宿にて足を骨折してしまいました。その時から今までに多くの方の支えに助けられ、優しさに触れてきました。私が特に感謝申し上げたいのは、日体大荏原高校の日下先生、4年生の入道先輩、同期の山田大志郎です。日下先生は私が怪我をした際にすぐに駆けつけて下さり、現在に至るまで手厚い看護をいただいております。先生には感謝してもしきれません。入道先輩は車の手配、日下先生、幹部の方々との連絡、生活のサポートなど本当にお世話になっております。山田大志郎は、常に気をかけてもらい、大変頼らせていただきました。他にも、日体大の原田先生をはじめとする、多くの方に改めて大変感謝申し上げます。
話は大きく変わり、本日の本題に入らせていただきます。前回は慶應義塾大学の理工学部についてほんの少しだけ語らせていただきました。(是非、前回からお読み下さい。)今回は短所から入ろうと考えておりましたが、ネガティブな部分から入るのは気が引けたので、長所を一つ述べてからに致します。
いくつかある長所のうち、私が選んだのは、「学ぶ内容が興味をそそられる」ということです。他の文系学部が何を学んでいらっしゃるかは私自身が詳しい訳ではありませんが、周囲の方々に話を聞くと、できるだけ楽して単位を取ることを最重視しておられる方が大多数に感じます。一方で理工学部では当然単位も大切ですが、それ以上に「理解する」ことが重視されます。また、本学部では大学受験期と勉強内容が大きく異なります。例えば微分方程式を用いた解析的な物理学、量子力学を用いた化学等を学んでいくにつれ、知識欲が溢れてきます。更に、受験生時代に「大学で学ぶ」と言われてきたことを伏線回収する形で、世界が広がっていく感覚をひしひしと感じます。この感覚は文系学部では味わえないのでしょうか。
ここで、必修科目ではない科目、つまり一般教養科目について少々紹介させていただきます。大学では沢山の一般教養科目がありますが、その中に理工学部限定のものがいくつかだけあります。その一つに「宇宙科学」という科目があります。宇宙の始まり、ブラックホール、相対性理論のさわりなどを学習します。この科目は大学で私が学んだ科目の中で私の世界観を最も大きく変えました。宇宙に興味のある方は是非受講してみて下さい。
さて、ここからは理工学部の短所について執筆致します。最大の短所はズバリ、多忙であることです。毎日勉強は当然で、テスト期間は受験時代を思い出すくらい忙しいです。実のところ私は春学期に塾講師若しくは家庭教師バイトを志願しておりましたが、部活と勉強の両立で精一杯で叶いませんでした。私の周りの友人もバイトと勉強の両立により、サークルを辞めざるを得なくなったり、体育会に入ることを諦めている人など、何かしらを犠牲にしていました。しかし、私が最も苦しかったのは精神面でした。寮に帰ると周りは談笑したり、ゲームしたり盛り上がってます。その中でただ一人勉強し続けるのは正直苦痛です。体育会の為、テスト期間に休むことも殆ど許されません。テスト期間は受験期よりも辛い日々でした。他にも、授業数が多く、一般教養科目で取りたい科目が取れない、必修科目が多く苦手科目をやる必要があることなど短所も少なくありません。
色々なことを長々と連ねてきました。まだまだ書きたいことはありますが、一旦〆と致します。総じて私が言いたかったのは、理工学部を知ってほしい、ということです。私自身は理系を選び、理工学部に進んで後悔はありませんし、どこの大学を志望するにしても、大学で理系科目を学ぶことは大きな財産になると思っております。もし、ここまで読んで下さっている方の中に受験生がいらっしゃったなら、大学での学びも楽しみに、受験勉強に精一杯励んで下さい。