お世話になっております。

3年の山田です。

先月の東京都学生柔道優勝大会では、念願であった1部復帰を果たすことができ、安堵の気持ちでいっぱいです。ご指導・ご声援をいただき、誠にありがとうございました。来週には全日本学生柔道優勝大会を控えておりますので、より高い順位を目指して全力を尽くしてまいります。大学生になって初めて臨む全国の舞台ということもあり、緊張感とともに、この機会を楽しむ気持ちも忘れずに取り組みたいと思っております。

都学終了後、後輩たちが記した部員日誌の中で、私の名前をたびたび挙げてくれていたことを知り、大変光栄に思っております。少しでも彼らの記憶に残るような柔道を見せられたのであれば嬉しい限りです。私自身も1年生の頃、観客席から先輩方の戦う姿を見て「かっこいい」と感じると同時に、「来年は自分があの舞台に立ちたい」と強く思ったことを今でも鮮明に覚えています。後輩たちにも、そうした原体験を原動力にして努力を積み重ねてほしいと願っています。

また、マネージャーの方々からも名前を挙げていただき、心より感謝しております。昨年、二部に降格したことで主要な大会の出場機会が限られ、選手のみならず、マネージャーの皆さんのモチベーション維持も難しかったことと存じます。だからこそ、今大会で「勝利」という形で恩返しができたこと、そしてチーム全体が涙ではなく笑顔で終えられたことを、個人的に何より嬉しく思っております。

なお、同期の宗広が「自分の名前が部員日誌に挙がらなかった…」と少々寂しそうにしておりました。全学ではきっと、エースとして結果で魅せてくれると思いますので、活躍の際はぜひ記録に残してあげてください。

 

 

話は変わりますが、先日の稽古後、宗広と花ちゃんと話している中で、「この夏、同期で旅行に行こう」という話が自然と持ち上がりました。

川でBBQをしたり、近くのサウナで汗を流したり、夜は焚き火を囲んで語り合ったり、まだ具体的な予定は決まっていませんが、そんなゆったりとした時間を皆で過ごせたらいいなと、ぼんやり考えてみたりしています。

少し哲学的に話してみようと思います。

今、私たちは大学3年生。7人中3人が部の幹部として様々な責任を担い、日々多忙を極めています。稽古だけでなく、組織運営や後輩指導、部の将来を考える立場としての重圧は、決して軽いものではありません。そんな中で、役割や肩書きを背負いながら動くことに慣れてしまうと、ふと立ち止まって自分自身や仲間との距離を見つめ直す時間が意外に少ないことに気づきます。

この旅行の話が単なる気晴らし以上の意味を持つのは、まさにそうした日常の中に埋もれた「自分」と「同期」という関係性を再発見しようとする試みだからかもしれません。柔道場での厳しい稽古や大会での戦いを共に乗り越えてきたからこそ、言葉にせずとも共有してきたものがある一方で、その関係は時に「役割」という鎧をまとったままのものになっていないか。そう自問することもあります。

川でのBBQで炭火の香りが漂い、サウナの熱気に包まれながら無言で汗を流す時間、焚き火の炎が揺らめく中で見つめ合う同期の表情。そうした非日常の空間は、私たちにこれまで意識しなかった対話や気づきをもたらすのではないでしょうか。言葉にできなかった思いや、普段は見せない素顔が少しずつ姿を現し、幹部としての立場を超えた「ただの同期」としての新たな関係を育む場になることを期待しています。

もちろん、この旅が何かを劇的に変えるわけではありません。むしろ、それは日常の延長であり、私たちが共に過ごしてきた時間の「続き」に過ぎないのかもしれません。しかし、その続きのなかにこそ、小さくても確かな意味や価値が積み重なっていくのだと思います。幹部としての重責から解放されたわずかな時間が、これからの私たちの支えになると信じています。

この夏の旅が、私たちが共有した過去とこれからの未来をつなぐ、静かで温かな記憶の一頁となることを願っています。そして、何よりも本当に実現させましょう。