失礼致します。甚だ僭越ながら自己紹介させて頂きます。私本年度慶應義塾體育會柔道部にマネージャーとして入部させて頂きました、慶應義塾大学総合政策学部1年の水野愛理(みずのあいり)と申します。以後よろしくお願い致します。

出身校は三田国際学園高等学校/Mita International Schoolで、出身地は東京でございます。現在、sfcまでは自宅から二時間弱をかけて通学しております。往復の長い移動時間も課題を進めたり、寝不足の日には仮眠をとったり、過去の部員日誌を拝読して同期や先輩方の新たな一面に触れたりしていますと、意外とあっという間に感じることが多いです。入部を検討させていただいていた際から沢山拝読していた部員日誌を、今度は自分自身が執筆する立場になったことをとても嬉しく思っております。

満開に咲き誇っていた桜も今ではすっかり花を落とし、木々は鮮やかな新緑をまとっています。5月を迎え、入学してからあっという間に1ヶ月が経ちました。毎日新しい人々に出会いながら新鮮な日々を送っていますが、少しずつ新生活に慣れてきたように感じます。授業終わりにご飯を食べに行ったり、ゴールデンウィークに出かけたりなど、既に深い話ができるほど気の合う素敵な友人たちに出逢うことができました。クラスや友人関係に恵まれ、授業も大変興味深いことから、毎日ルンルンで大学に通っております。しかしながら、私の世界一苦手な数学が必修にありますので、数学が得意な経済学部の同期に助けていただきながら、なんとしても留年を回避したいと考えております。(フラグにならないよう気を付けます)

 

前置きが長くなってしまいました。最初の投稿ということで、私の経歴について書かせていただきたく思います。

中学では生徒会選挙で当選し、生徒会役員として活動していました。同時にバレーボール部に所属し、レフトポジションでスパイカーを務めておりました。(新入生歓迎会の際に行ったバレーボールの試合では一切活躍出来ませんでしたので、元バレー部だったことはあまり大きな声では言えません) 礼儀作法や上下関係に厳しい生徒会や部活動に身を置いていた経験を、現在の體育會活動においても大いに活かしていきたいと考えております。

高校では私の人生で大きな転期となる長期留学を経験いたしました。電車が通っておらず、バスも1時間に1本しかないほど、のどかで自然豊かなカナダのビクトリアという小さな島に10ヶ月滞在しておりました。道を歩いていると、気さくに声をかけてもらえる機会が多く、温かい人々に溢れた地域でした。友人が財布をなくした際も中身は無事のまま戻ってきたほど治安が良く、家の鍵も就寝時にしかかけない家庭が多い、そんな穏やかな場所でした。出国の日には家族や友人たちが空港まで見送りに来てくれましたが、意外にも私はあっさりと別れを告げ、ゲートを通過しました。ところが、機内で手紙を読み返すうちに、別れの寂しさと、知り合いが一人もいない地で始まる生活への不安が一気に押し寄せ、大粒の涙が止まらなくなったことを今でも鮮明に覚えています。

それでも、いざ現地での生活が始まると、毎日が新鮮で刺激的でした。一度もホームシックになることはありませんでしたが、全てがキラキラと輝く楽しい思い出ばかりだったわけではなく、数多くの試練にも直面しました。私が滞在していた現地の高校はヨーロッパからの留学生が多かったのですが、あなたはなぜ留学に来たの?と聞きたくなるほど、皆が留学当初からネイティブレベルの英語力を持ち備えていました。そのため、授業で先生が冗談を言った際に周りはみんな笑っているのに、自分は内容を理解できていなくても周囲に合わせて無理に笑う場面も多々ありました。英語力が乏しい留学生の仲間が居なかったのはかなり心細かったです。それでも私は、拙い英語でも笑顔を絶やさず、勇気を出して一つひとつの出会いに向き合っていきました。そうしているうちに、少しずつ留学生だけでなく、現地のカナダの子たちとも自然と仲を深めることができました。

とはいえ、母国語が通じない環境で暮らすというのは、思った以上にストレスがたまるものです。そんな私の心をいつも癒してくれたのは、ホストファミリーが飼っていた大型犬のココでした。ラブラドールとゴールデンレトリーバーのミックスで、毛がとてもフワフワしています。とにかく人懐っこく、愛らしいココはかけがえのない存在でした。

ホストファミリーは、私を実の娘のように温かく迎え入れてくれ、アメリカのディズニー旅行をはじめ、数えきれないほどの思い出を共にしました。ホストファザーは陽気なメキシコ人で、郵便局員とDJの二足のわらじを履いています。イケイケDJ宅だけあって、本格的なスピーカーが家中に完備されており、音楽が流れるとたちまち家はクラブさながら。留学初日は鼓膜が破れるかと思うほどの爆音に、ここでこれから10ヶ月も過ごせるのか不安になったこともあります。ところが、気づけばスペイン語の爆音音楽が毎朝の私のアラームになっていました。どんな場所や環境にも即座に適応し、楽しむことができるのは私の長所のひとつだと感じています。また、毎晩家族全員で映画を観るのが日課で、ソファーの後ろに設置されたスピーカーのおかげで臨場感は抜群。まるで自宅が映画館のようでした。ホストマザーはカナダとイタリアの血を引く料理上手。毎日の食卓には愛情たっぷりの料理が並び、私は10ヶ月で10キロも体重が増えてしまいました。小麦粉料理、恐ろしやです。ホストブラザーとホストシスターはそれぞれ1歳下と3歳下。年齢が近かったこともあり、すぐに打ち解けました。Teenagerである彼らは話すスピードがまるで倍速してるほど尋常では無いのですが、そのおかげでリスニング能力が鍛えられたと思っております。そんな個性豊かで温かいホストファミリーと過ごした日々があったからこそ、私は10ヶ月間の留学生活を充実したものとして終えることができたのだと思います。

帰国の際にはフライトが早朝だったにもかかわらず、空港まで見送りに来てくれたホストファミリーや友人たちと、涙ながらに別れを惜しんだ瞬間は、今でも私の心に深く刻まれています。もちろん10ヶ月の留学生活を通して英語力の成長は感じられました。しかし、それ以上に異国で親元を離れ一人で生活したことによる精神的な成長、さまざまな国籍・バックグラウンドを持つ人々との交流を通じて視野を大きく広げられたことに、何より価値を感じています。留学へ行きたいと決意してから、金銭面も含めてずっと応援してくれた両親には、本当に感謝してもしきれません。

他に私の特徴といたしましては、とにかくジェットコースターが大好きなことです。カナダの遊園地やアメリカのディズニー、よみうりや富士急などなど人生でさまざまなジェットコースターに乗ってまいりましたが、一度も恐怖を感じたことがありません。浮遊感が苦手という方も多いと思いますが、浮遊感、大好きです。早く乗り甲斐のあるジェットコースターに出会いたいばかりです。

 

 

さて、大学入学まで柔道のじの字も無かった人生を送っていたこんな私が何故柔道部に入部する運びになったのかお話しさせていただきたいと思います。

念願だった慶應義塾大学に入学し、私は対面新歓を心待ちにしておりました。友人と共に様々な新歓に参加するなかで、柔道部のマネージャーについての説明を受ける機会がありました。はなさんの丁寧で温かみのある説明を聞いていくうちに、次第に興味が湧いてきました。さらに、新歓終了間際に外でチラシを配っていた部員の皆様が教室に戻ってきて和気藹々とお話ししていた様子を拝見し、素敵な雰囲気の部活だなと心惹かれ、まずは見学に伺うことにいたしました。見学の際には、稽古中の道場に響き渡る迫力ある音に圧倒されたと同時に、テニスやバレーボールといった球技しか経験のなかった私にとって、道具やボールを使わず、数々の技を状況に応じて巧みに繰り出し、身体一つで勝負する柔道の奥深さに強く惹かれました。また、実里留さんと芽吹さんが気さくに話しかけてくださり、部員の方々を紹介してくださったおかげで、部の雰囲気がよくイメージできました。稽古後にはsfcの先輩方とお話させていただき、後日キャンパスでお見かけした際には挨拶をしてくださり、とても嬉しく思いました。その後、他の部活動も見学させていただきましたが、二度目の柔道部の見学を終えたときには心が決まっていました。全力で稽古に励む部員の皆さんの姿に改めて心を打たれ、マネージャーという立場でチームをサポートしたいと強く感じ、柔道部への入部を決意させていただきました。

現在、同期はプレイヤーが沢山おり、マネージャーは私含めて3名と、非常に賑やかな学年となっております。中には小学校時代の知り合いもおり、当時は私より背が低かったにも関わらず今では立派に成長し、懸命に稽古に励んでいる姿を見ると大変感慨深いです。久々に同級生となり、嬉しく思います。相変わらずちょっと抜けていて、いじられキャラで、性格は何も変わっていないみたいです。また、これまで異なる競技に取り組んでいたもののオリンピックをきっかけに柔道部への入部を決めた熱い志を持つ部員が二人、普段の言動からは想像もつかない甘い歌声を持つギャップの塊の部員、最近入寮し片道二時間の通学から解放されて嬉しそうな部員、同期の中で一足先に共学ライフをエンジョイしている部員、先日の同期会で全員分のアイスを奢ってくれて今後もみんなから頼られそうな優しさと男気に溢れた部員、そして柔道の受け身で人生において四度も命を救われたという驚きのエピソードを持つ部員もいます。マネージャー陣も、柔道の有段者でチームを明るく盛り上げるムードメーカー、そして書道の有段者で部活終わりにメディアセンターへと足を運ぶ勤勉家と、同期一人一人がとても個性豊かで魅力的です。まだ出会って間もないですが、既に全員が大好きです。先日やっと同期全員でご飯に行くことができ、とてもとても楽しかったです。是非とも定期的にご飯会を開催していきたいところです。これからさらに絆を深め、お互いを高め合いながら共に成長していけることを楽しみにしております。

 

長くなってしまいましたが、大変拙い文章をここまで読んで下さり誠にありがとうございます。

最後に、私を柔道部に温かく迎え入れてくださった先輩方、同期、本当にありがとうございます。先日の新入生歓迎会、とても楽しかったです。改めてありがとうございました。入部させていただいてから、はや2週間が経ちますが、まだまだ分からないことばかりで一つ一つ丁寧に優しく教えてくださるマネージャーの先輩方に日々助けてもらっております。実里留さん、花さん、美緒さん、芽吹さん、いつもありがとうございます。至らぬ点も多いかと思いますが、全力で稽古に励むプレイヤーを精一杯サポートさせていただければと思っております。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。