平素よりお世話になっております。経済学部1年の岩﨑ジェイクです。

体温を超えるような暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

私は先日、期末試験を終え、ひとまず安堵しております。ただ、少し燃え尽き症候群のような状態にもなっているため、8月・9月に向けて気を引き締め直したいと思っております。

さて、現在シンガポールでは世界水泳が開催されており、本日から競泳競技が始まります。柔道でいえばグランドスラムに相当するような、非常にハイレベルな大会です。中でも私が注目しているのが、50m平泳ぎの柳沢駿成選手です。

私はかつて水泳部に所属しており、柳沢選手は時折、私たちの練習に参加されて、技術指導をしてくださることがありました。

彼は幼少期から水泳を始めたそうですが、中学では全中、高校ではインターハイに出場できず、大学でもインカレには出場したものの予選敗退と、悔しい経験を重ねてきたそうです。大学卒業後は競技を引退し、一般企業に就職。しばらくは普通のサラリーマンとして生活されていました。

しかし、3年前、趣味として水泳を再開すると、大学時代以上にタイムが伸び始めたため、本格的に競技へ復帰する決意をされました。

とはいえ、仕事をしながらの練習には大きな制約があります。市民プールでの練習が中心で、残業がある日は30分しか泳げないこともあったそうです。ダイブやターンが禁止されているプールも多いため、営業終了直前に他の利用者が上がったタイミングで職員に頼み込み、練習させてもらうなど、さまざまな工夫をされていたといいます。

このような環境の中でも、柳沢選手は地道に練習を重ね、今年の日本選手権50m平泳ぎで堂々の2位に輝き、日本代表に選出されました。

私は、柳沢選手は努力家であると同時に、非常に戦略的な考えを持った方だと感じています。

というのも、自由形以外の種目(バタフライ、平泳ぎ、背泳ぎ)は通常100mが主流であり、多くの選手は100mを目標に練習を積みます。しかし彼は、限られた練習時間と距離の中で100m種目ではなく、50m平泳ぎに専念するという選択をしました。この選択は、自身の状況を冷静に分析したうえでの極めて合理的な判断だったと思います。

柔道初心者である私にとって、種目こそ違えど彼の生き方は大きなインスピレーションとなりました。私自身、柔道では周囲と比べて大きく出遅れていますが、彼のように自分の強みや現状を正確に見極め、どこに集中すべきかを判断することで、少しでも前に進んでいけるのではないかと思います。

ブルース・リーはかつてこう語りました。

「私が恐れるのは、1万通りの蹴りを1度ずつ練習した者ではない。たった1つの蹴りを1万回練習した者だ」

私も、手当たり次第に技術を試すのではなく、自分にとっての「一撃」を見つけ、それを徹底的に磨くことをまずの目標にしたいと感じています。

柳沢選手のレースは29日(火)です。機会があれば是非ご覧になってみてください。

がんばれ!ニッポン!