こんにちは、成宮陸雄です。服装に悩まされる絶妙な気温になってきましたね。街ゆく人の大半は長袖に上着も羽織るようになり、フラマン先生はマフラーまで巻いていました。ちなみに私は半袖短パンで粘っています。
先日、司馬遼太郎さんの「項羽と劉邦」を読み終えました。時代背景としては昔の中国、漫画「キングダム」の舞台である春秋戦国時代を経て、中国史上初の統一国家”秦”が建ち、それが滅びた後の物語です。主人公は題名にもなっている、項羽と劉邦の2人。彼らの人物像は対極的です。ひとりの武将として圧倒的実力を持つカリスマ項羽と、頼りないながらもたくさんの人々に支えられる不思議な徳を持つ劉邦。各々のリーダーシップを発揮して、中華の覇権をめぐり熾烈な戦いを繰り広げます。
最終的には「四面楚歌」の故事成語で知られるように、項羽が敗北しましたが、この結果について私は、劉邦の徳が項羽の武勇に優ったと言うよりも、項羽の持つ欠点が致命的な失敗を招き、自滅に近い形で敗北したというべきだと考えています。
実際、劉邦の勝利といえば最後の最後で項羽を討ち取った一戦のみで、それに至るまで幾度となく負け、奇跡的な幸運や周囲の人々の助けにより、なんとか死を免れていました。一方、項羽の主な敗因は、数十万の投降兵を虐殺したこと、血族を贔屓し他の有能な人材を軽んじたこと、これらの行為により部下や世間からの信頼を失ったことです。これらは他の歴史上の失敗事例の原因と共通する要素があるように思えます。成功に至る道のりは多岐におよびますが、失敗に陥る原因は、似通っていることが多いものです。
失敗は、もてはやされる成功事例の陰に隠れがちですが、失敗の原因に目を向け、それらを確実に潰していくことが、成功を目指す上で重要なのかもしれません。
そんなわけで、私が就職活動で大いに苦戦した要因を、考えられる範囲で書き記しておこうと思います。
- 自己分析に迷いがあったこと
- 先輩方に相談せず、ひとりで考え込んだこと
- 自分の話の内容を相手に伝える練習が不足していたこと
就活中の3年生、いずれ経験するであろう2年生以下の皆さん、頑張ってください。今回はこれにて失礼いたします。
※「キングダム」で主人公の信、王賁と並ぶ秦のルーキー蒙恬は「項羽と劉邦」の序盤、秦王嬴政の死後の後継者争いに巻き込まれ、謀殺されます。