こんにちは、成宮陸雄です。4月も後半に入り、大分暖かくなってきました。小中学生時代半袖短パン小僧だった私は、ひと足さきにTシャツと短パンの出で立ちで、三田キャンパス近辺で美味しい昼ごはんが食べられそうなお店を探索しています。おすすめの場所がある方はぜひ教えてください。あと、山食のカレーについてくる味噌汁は本当にいりません。カレー×味噌汁はしょっぱすぎます。
先日、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』を読み終えました。何回か前の私の部員日誌でも触れましたが、これは日本が日露戦争をどのように戦ったのかが綴られた小説で、内容自体の面白さと軽快な文調も相まって、終始飽きることなく読み進めることができました。読み終えた感想としては、とにかく”アツい”小説でした。そういうわけで今回は、『坂の上の雲』のアツいポイントをいくつか紹介させていただきます。
1.厚い:『坂の上の雲』は文庫本8巻分に渡る長編です。ページ数にして合計2,800ページになります。物理的にかなり分厚いです。
2.明治の日本人:物語が繰り広げられる明治時代の日本の人々は、近代化を果たし生まれ変わった日本の国民として、生まれたての日本を強く豊かにしようと、まさに富国強兵のために一生懸命に学び、働きます。どの登場人物からもその熱い気持ちが感じられます。
3.児玉源太郎&渋沢栄一、男泣き:近代化した日本は初めての対外戦争である日清戦争に勝利し、満州を手に入れますが、南下政策をとるロシアの圧力により、満州をロシアに明け渡してしまいます。ロシアとの戦争は避けられないと思われ、来たる大戦のための膨大な戦費調達のため、時の陸軍参謀次長児玉源太郎は、日本の財界の長である渋沢栄一のもとを訪ねます。開戦に必要な金額は20億円、日本の当時の国家予算は8千万円でした。勝てる見込みもなく戦費調達も到底無理と思った渋沢は、一度は要求を断ります。しかし、ロシアが山々を鉄とコンクリートで覆ったような強靭な要塞を建設し、今に日本も占領されてしまうであろうという現状を知り、児玉に勝つ見込みはどれくらいかと訪ねます。すると児玉の目に涙が溢れ、答えました。「良くて五分五分、これをなんとか六分四分に持っていきます。できなければ日本は滅びる。戦う他道はありません。」児玉の役職である陸軍参謀次長とは、対ロシア戦の作戦立案を指揮する非常に重要な役職で、その想像を絶する重圧から児玉の先代、先先代の参謀次長はともに心を病み、体調を崩し急死していたのでした。児玉もまたその重圧の中で戦い、日本を守るために命をかけていたのです。これを受けた渋沢もまた涙し、「私も一兵卒として働きます。どんな無理をしても戦費調達をやりましょう。」と固く誓いました。祖国を守るために戦うと決めた漢たちの涙、熱いです。
4.東郷平八郎、連合艦隊司令長官になる:満州で戦う日本陸軍を支え、海上の補給ルートを守り確保するのが海軍の仕事です。その任務にあたる日本の連合艦隊の司令長官は誰になるのか。当時第一候補とされていたのが、猛将で知られた日高壮之丞という人物でした。しかし海軍大臣山本権兵衛は、あまりパッとしないが”運のいい男”東郷平八郎を指名しました。山本とは学生時代の同期だった日高は憤慨し、なぜ自分ではなく東郷を選んだのか、と山本に迫ります。これに対し山本は「近代海軍の司令官に求められるのはお前のような猛々しい将軍ではない。東郷のような冷静に淡々と、堅実に仕事をこなす男こそ今の日本海軍に必要なのだ。」と答えます。いかに軍艦などの装備が新しくとも、それを扱う人間が旧態依然のままでは意味がありません。日本が名実ともに近代化した瞬間と言えるのではないでしょうか。ナイス采配、アツいです。
5.下瀬火薬:日本海軍の砲弾に使われていた国産の火薬です。この火薬が入った日本の砲弾はロシアのものの数倍の爆発力があり、さらに爆発時に3000度の高熱を発し、ロシアの軍艦を焼き尽くしたそうです。科学的に熱い火薬です。
などなど、書き出すとキリがありません。皆様ぜひご一読ください。
それともう一つ、本日アツいことがありました。私成宮陸雄、昨日および本日の部内戦にて辛勝し、東京都学生大会の選手になりました。よろしくお願いいたします。
今回はこれにて失礼いたします。