こんにちは。2年の小野佑眞です。
はやくも、自粛期間中に部員日誌が一周したことに驚いております。3周目は練習でクタクタの状態で書きたいものです。
最近暑くなってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、コロナウイルスが各国で猛威を振るう中、もう1つの問題が今世界中で発生し、議論を呼びまくっています。
“Black Lives Matter”
真っ黒の画像とともに、SNS上において、最近この言葉をとても多く見かけます。
既に察した方も多いと思いますが、今世界では人種差別撤廃運動が(いい意味でも悪い意味でも)盛んに行われています。それは単に路上でのデモという形だけではなく、(というよりむしろ)SNS上で特に話題になっています。
この問題に関して、思うところがありましたので僭越ながら綴らせて頂きます。あくまで、一個人一大学生の拙い考えですので軽く読んでいただけると幸いです。
所謂ユビキタス社会、社会では5G電波が導入されSNSも日を追うごとに発達しています。「いつでも、どこでも、誰とでも」、人々は家族や友人だけではなく遠く離れた赤の他人とも容易にその意志や考えを共有できるようになりました。しかしその影には様々な危険が潜んでいることを忘れてはなりません。今回のSNSを通じた運動はまさしくその危険が露呈している、と僕は捉えました。
「思考力の低下」、これはSNS環境下における弊害の1つであると思います。これは単に「なにか疑問に思ったら、考えもせずに、すぐに調べる」ということではありません。
「自分の考え(軸)をもたずして、芸能人や著名な人の(もしくは友人の)、一見有力そうな情報を鵜呑みにする。」
ということです。
今回の件にこれを当てはめてみましょう。
何気なくインスタグラムを眺めていたら、#blacklivesmatter というハッシュタグとともに、真っ黒の画像が流れてきた。自分もこのトレンドに便乗してみよう、と思い同じような投稿をする。
僕はこのようにして何気なく投稿をする人が少なくとも存在しているともいます。決して彼らを批判するわけでもないし、この行動はいけないこと、と主張しているわけでもありません。むしろ良いことかもしれません。
真っ黒な画像をSNS上に載せ、人種差別反対の意思を主張する動きは、もともとアメリカの音楽業界で、#TheShowMustBePaused というハッシュタグとともに始まりました。黒人の能力やそのクリエイティビティから利益を得る音楽業界にその責任を課す目的です。この運動は後に、#BlackoutTuesday というハッシュタグをメインにどんどん拡散されていきます。
一方で、#blacklivesmatter は2013年にアメリカのフロリダ州で起きた白人警官による黒人青年の射殺事件のあと、SNSを中心に広がった政治的運動を指します。今回のアメリカミネソタ州での事件により、またコロナ禍でもあったことから、SNSを中心としたこの運動が再燃したと言えます。主に警察による人種差別的な暴力に抗議するもので、その活動の記録や情報を発信するためにこのハッシュタグが使われます。
僕が思うにこの違いをキチンと理解していた人はあまりいないと思います。それを知ろうともせず、単なる興味で、ノリで、あたかも自分も賛同者であるかのように情報を発信するのは果たして、正しい行動なのでしょうか。
現に、人種差別反対者への支援などの情報を載せ発信されている#blacklivesmatter を使った投稿が、大量の、単に真っ黒なだけの#blacklivesmatter という投稿たちによって、埋もれてしまい、その本来の目的を達成不可能にしてしまっているという事態が発生しているそうです。
何が正しく、何が間違っているなんてことは、特にこのような倫理的な部分を発端とする問題では定義できないと思います。ただ、SNSといういわばパブリックスペースにその考えを差し出す以上、その背景を知り親身になって考える必要があり、発信するのはそれからだと思います。
なぜ、僕はこんなにこの問題に関して違和感を持ったのか。
それは、私たちは日本人だからです。
僕は最近アフリカ系アメリカ人、この問題で言うところの黒人の歴史を学んでいます。日本語で書かれた資料よりも英語の文献が遥かに多いことからも、人種問題がいかにアメリカにとって重要な問題であるかがわかります。大西洋における大規模な奴隷貿易以降、黒人はアメリカ大陸においてネイティブアメリカンとともにマイノリティであり、その多くが奴隷として働かされ現在のアメリカ合衆国の礎を築いてきました。にもかかわらず、現在の資本主義アメリカは、競争原理が主であり、そのシステムの中で彼らは圧倒的に劣勢を押し付けられてきました。
学べば学ぶにつれて彼らについての知識は増えていくのですが、一向に理解できないのです。彼らの根本にある差別の原因は何なのか、奴隷制度は既に廃止されたはずなのに何が作用しているのか。おそらく僕は、日本人である以上、海外で長い時間を過ごさないとこれらを知ることは出来ないと思います。共感なんて言うのは実際に差別を受けないと出来ないと思うんです。
では、何をすべきか。もしどうしても、この人種差別問題に貢献したいのであれば、僕は過去(その時代背景や原因)を知ることと、肌の色を基準としたその優劣構造を変えるには何をすべきかをじっくりと考えることが必要だと思います。その気がないのなら、インスタグラムに投稿なんかしないでいい!ということです。先述の通り、今やSNSで何でもできるのですから、デモで逮捕された人の保釈金を寄付したり、抗議活動への援助をしたりできます。しかし、その際にももちろん情報の見極めというのは非常に重要です。
The fight won’t be won on your Instagram feed.
結論を申し上げますと、人種差別問題は日本人が思っているよりも深刻であるということです。故に情報を発信する上でも慎重になる必要があるのです。
僕自身まだまだこの問題に関して知らぬことが多いのですが自分なりの意見を述べさせていただきました。このテーマは(いい意味で)めちゃくちゃ面白いので
ご意見等ありましたらぜひお聞かせください。
長文失礼致しました。
追伸
こんなことを述べていますが、一番思うのは柔道が早くしたいってことです🔥