「アサーション」という言葉をご存知でしょうか。

アサーションとは、「お互いを大切にしながら、それでも率直に、素直にコミュニケーションをすること」だそうです。

わかりにくいですね。人間関係の持ち方を3種類に分けて考えましょう。

①自分のことだけ考えて、他者を踏みにじるやり方 

②自分よりも他者を常に優先し、自分のことを後回しにするやり方 

③自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方 です。

アサーションとは、ここでいう③のやり方のことを言います。

ということが、平木典子さんの『図解 自分の気持ちをきちんと<伝える>技術 人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ』という本に書いてありました。

さらに本書では、①を「攻撃的(アグレッシブ)」②を「非主張的(ノン・アサーティブ)」③を「アサーティブ」としています。

例えばお店で注文と異なるものが出てきたとき、皆さんならどうしますか。

①お店の人を大声で怒鳴る人、②何も言わず我慢して食べる人、③お店の人を呼んで事情を説明し、替えてほしいと頼む人など様々ではないでしょうか。

大声で怒鳴るような攻撃的な人は場の雰囲気を壊してしまいますし、我慢する非主張的な人は一見すると相手を立てているようでありながら、本心では納得しておらず、相手からしてもどう思っているのかわからず不安にしてしまいます。

本書ではそれぞれのタイプの特徴や考え方、改善方法などが掘り下げて書かれていますがここでは割愛します。Amazonのプライム会員であれば無料で読むことができるので、興味があれば読んでみてください。

 

僕がこれを読んで思ったのは、「自分、めちゃくちゃ非主張的じゃね」ということです。特に、かしこまった場では必要以上に緊張してしまい、失礼があってはいけないとの思いから萎縮しがちなのですが、これはまさしく非主張的な性質でした。

ただ態度が曖昧で、気の利かないヤツということですね。

立場は違えど、コミュニケーションを取る相手は同じ人間なので、表現しなければわからないし、曖昧な態度では次に進めず困らせてしまいます。

 

「自分がされて嫌なことはしない」という言葉があります。小さな子供にもわかりやすく他人の嫌がることをやめるよう教える時、便利な言葉です。一方で、自分本位な考え方であるとも思います。

例えば非主張的な人の場合、自分が怒りを表現しない代わりに、他人の怒りの表現に対して不寛容になる傾向があります。これは「自分がしないことをされて嫌」ということになるのですが、「怒りを表現してはいけない」という思い込みから来るものです。これでは全くの自分本位です。自分の価値観に、相手を一方的に当てはめているに過ぎません。

相手がなぜそう言ったのか、どうしてほしいのか、それに対して自分はどう感じるのかを考え、言葉を尽くすことがアサーションだと思います。

僕も、怒っている人や泣いている人の感情を否定することなく受けとめ、また自分自身の感情も丁寧に表現し、相互理解への道を歩もうと思いました。

おわり