「早慶戦のメンバーに選ばれ、チームを勝利に導く」

これは僕が大学1年生の時に、自分の目標として掲げたものです。

早慶戦には、僕にとって大学生活を捧げる程の価値があります。なぜなら、僕にとってそれほどの憧れの舞台だから。小学生の頃、父に連れられ、野球の早慶戦をよく観戦しに行っていました。そして、試合後に慶應の大学生の選手と一緒に、写真を撮ってもらった記憶があります。あの舞台に立つ人間は、僕にとってそういう存在です。

高校では、常に”成果が出ない自分”がいました。”成果が出ない自分”に対し、周囲がかける言葉は、「本当に努力している」。ただこの繰り返し。周りには、自分よりも圧倒的に能力が高いにも関わらず、化け物みたいな努力をしているやつらが常にいます。それと比べた時の、自分の弱さ。目標と現実のギャップがあるにも関わらず、最後の最後で妥協する自分の狡さ。

それを変え、必ず結果を出す。その意志を持って体育会柔道部に入部しました。「早慶戦のメンバーに選ばれ、チームを勝利に導く」という、自分の現状から見て、到達可能領域を遥か超えたミッションを掲げて。

しかし、そこにも常に”成果が出ない自分”がいます。原因は、自分の努力不足、ただ一つ。自分で自分が嫌いになる毎日。「なんでそこで俺、妥協するか?」と笑いたくなるような練習内容。それと対象に、同期は、チームの戦力の中核として動いている。縮まらないどころか、広がっていく差。「負けてたまるか」その差を超え、目標を達成する為に、努力の質と量を上げ続けてきました。

その中での今回の早慶戦。自分の夢の先で戦うことができる機会を勝ち取りました。しかも、大役である先鋒を内山主将に任せて頂きました。大舞台に向けて、プロセスの質と量をさらに上げ続けた2ヶ月。そして迎えた早慶戦。

そこにも、”成果が出ない自分”がいました。「チームを勝利に導く」どころか、「チームを敗北に導く」内容。それに対して周囲がかける言葉は、「本当に努力している」。

 

「あぁ、俺、なんにも変わってないや」

 

あと1年しかない体育会生活。ここで目標を下げるのか、あるいはやるのか。答えは決まっています。目標は「早慶戦のメンバーに選ばれ、チームを勝利に導く」「先鋒として」。4年として、チームのことも、自分のことも全部やって、そして勝つ。これだけです。

また夢の先へ。

残り1年、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

 

慶應義塾大学法学部法律学科3年 慶應義塾体育会柔道部副務 江波戸水紀