こんにちは。1年の成宮陸雄です。大学の対面試験や期末レポートなどの課題も無事終了し、私には晴れて夏休みがやってきました。大学の夏休みは2ヶ月程もあり、練習が終わればあとは自由、月曜は丸1日休みということで、何をしようかといろいろ考えております。ただ遊ぶだけでなく、読書や英語の勉強など、有意義に時間を使いたいものです。

話が変わりますが、寮の風呂で同期の松永と話をしました。話題は「ヒーローについて」です。何でも松永はヒーローになりたいそうなのですが、文学部の課題に忙殺される日々を過ごしている彼曰く、課題に追われて部屋にこもり延々とパソコンに文字を打っているような人間は、ヒーローにはなれないそうです。ヒーローになるには何かしらのきっかけが必要であり、部屋にこもって課題をしている限り、そのきっかけが自分に訪れることはない、と嘆いていたのでした。私としては彼の友人としてその夢をどうにか叶えてあげたいので、私なりに彼がなれそうなヒーローについて考えてみることにしました。

まず「ヒーロー」とは何か。辞書で調べてみると「①英雄。勇士。②はなばなしい活躍をした人。③小説・演劇などで、男の主人公。」(スーパー大辞林)とあります。英語の「hero」で調べると「1英雄・ヒーロー 2(映画・劇・小説などの男性の)主人公 3あこがれの対象 4ヒーローサンドウィッチ(長いパンに肉・チーズなどをはさんだサンドウィッチ)」(ウィズダム英和辞典)とありました。どちらにも出てきた「英雄」という単語は「才知・気力・武力にひいで,偉大な事業をなしとげる人。」(スーパー大辞林)とのことです。一方松永が理想とするヒーロー像は、人々を苦しめる大魔王や化物を、颯爽と現れて退治するという、漫画やゲームの登場人物ような存在でした。辞書の言葉を借りると、つまり松永は「強大な悪者に立ち向かい、それを才知・武力で退治するはなばなしい活躍をして、人々があこがれる人」になりたいということです。しかし、現実世界でこれを成し遂げるのは非常に困難です。そもそも今の世界には、絶対的な悪と言えるもの自体あまり存在しません。強いて言えば戦争やウイルスなどはそれに当てはまるかもしれませんが、これらは実体もなく、実際に戦って勝つことで解決するものではありません。さてどうするか。松永はヒーローになることなく、4号室の二段ベッドの上にこもりきりで終わってしまうのでしょうか。

私が考えるに、ヒーローの根幹をなす要素とは、何らかのかたちで「人を助ける」ということでしょう。勇者はもちろん悪を退治して人を助けます。オリンピックで連日金メダルを獲得するアスリートの方々は、その活躍によって人々に元気を与え、コロナウイルスで落ち込んだ世界を明るくしてくれます。その姿はまさしくヒーローです。そういうわけで、まずは身の回りの困った人を助けることから始めてはどうでしょうか。地味ではありますが、何事もつみかさねです。いずれ強大な悪者が現れた時、日頃の行いから何か覚醒して、すごいヒーローになれるかもしれません。と、松永に言おうとしたのですが、哲学のレポートを切ることで夏休みを手に入れた彼は、昼の10時にもかかわらず寝ています。今の松永に一番近いのは、無駄に肉をため込んだヒーローサンドウィッチのようです。ヒーローへの道のりは果てしなく遠いと思いますが、気長に見守っていようと思います。

大分長くなってしまいましたが、今回はこれにて失礼いたします。