こんばんは。新3年の小野佑眞です。

桜花の候、麗らかな春の日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

六徳の民の溢れんばかりの「Vitality」のせいか、宿舎前の桜は一足早く満開を迎えております。やっと春が来たなと感じる一方で、大学生3年目の春を迎えていることに幾らかの焦燥感を抱いているのもまた事実です。残り2年の学生生活ですが「華々しい」終わりを迎えられるよう精進して参ります。

さて、今回の話題はといいますとずばり、「新生活」です。というのも、朝一人リハビリのために日吉キャンパス構内を走っている時(皆は稽古中)、どこか懐かしい、似たような状況を思い出したのです。丁度一年前、コロナウイルスの感染が拡がりはじめ、いわゆる「コロナ禍」の序章が幕を開けました。この頃を境に我々の日常生活に制限がかかるようになり、塾柔道部も当初予定されていた武大合宿をキャンセル、しばらくして稽古を中断しました。こうして突如として柔道ができなくなった私は、せめてランニングだけでもと思い、キャンパスや矢上川沿い、長いときは二子玉川まで走っていました。とまぁこんな感じで、ランニングを介して1年前を少し回想していたわけです笑。あの頃から1年たったけど、これからはどうなるのかな?という感じです。

マクロ的に世の中を見ると、緊急事態宣言の発令、ワクチンの開発、リモートワークの常態化、消費傾向の変化、など様々な変革がありましたが、今回はミクロに、私自身の視点で、コロナに関わらず来たるべき変化を軽く見てみようと思います。緊急事態宣言解除に伴い本格的な「withコロナ」という新時代の幕が開ける中でも、稽古では乱取りが始まり、六徳舎では新入生が大学生活をスタートさせ、4年生の先輩方は社会人としての一歩を踏み出すなど、一見静かに見える2021年も、誰かにとっては「新しい1年」「節目の1年」になることは間違いないと思います。そして、それは私にとっても例外ではありません(膝が破壊された時点で既に「節目」であったことは自明ですが(^^;)

ということで、2021年新3年小野佑眞の新生活を4つの観点から、恐縮ではございますが述べさせていただきます。

 

①三田二郎

言わずもがな。中学受験時代を含め計8年間の学生生活を送った日吉とも一旦お別れ、学びの城を受け嗣ぎて、叡智の丘「三田」にて勉学に励みます。勉学に励むということは、即ち腹が減るということで。僭越ながらニンニクアブラマシマシでパワーを注入させて頂こうと考えております。待望!一人は勿論のこと、周りも巻き込んで参ろうと考えております。皆さん、三田にお越しの際は是非ご連絡ください。

②研究会

ついにこの時がやってきました。三田大学生の代名詞のような気もする研究会活動ですが、私は大変光栄なことに塾柔道部部長のオステン・フィリップ先生の研究会に所属させて頂くこととなりました。もともと民法が苦手な私は、必修科目の国内法とは異なり、「よりグローバルな視点」での法の在り方を勉強できる「国際刑事法」に興味を持ちました。柔道部というご縁もあり、入ゼミを決意した次第です。同期の杉村も同じく本ゼミに所属することとなりましたが、部長の顔に泥を塗ることの無いよう、積極的に活動をしていこうと思っております。

③柔道部

少し真面目な話になりますが、上記の通りもう3年生、即ち上級生です。先輩方の言うことを守るのと後輩たちを率いるのは、また少し性質が異なると思います。来年は私達の代が最上級ということを見据えて、部の運営、戦力の向上、雰囲気作りなど考えるべきことはたくさんあります。この間、同期の須永や杉村と少し話したのですが、柔道は個のスポーツではあるけれどやはりチームスポーツという性質も兼ね備えており、これは経験者なら誰もが共感いただけると思います。実力がものをいう格闘技界においても、怪我人の私にもできることはなくはないと思うので、選手としての復帰は勿論のこと、上記のようなことも考えながら柔道生活を送っていこうと思っております。

④膝

昨年手術した膝ですが、術後経過は順調でこのままいけば6月頃には打ち込みを始められると思います。前記の通り、体作りに関しては柔道を意識したトレーニングを行っていますが、この間織茂先輩にズタボロに説教をされたので、今一度見つめ直してみようと思っております。復帰した時に柔道にスムーズに移行できるような体になることが一番です。リハビリもさることながら、柔道スタイルや培った体力を活かせる技の習得など、復帰後のことも考えて鍛錬します。こう見ると、トレーニングに勤しんでいるように見えますが、上のトレーニング場から皆の稽古を見るのは拷問に近く、常にウズウズしております。焦らず、着実に、我慢して、頑張ります。

 

以上4つが現在私が想定している新生活の要素です。日々の生活を送っていく中で、変わったり追加されるものもあると思いますが、それでこそ新生活です。「新しい」ということを楽しみつつ、さらなる成長ができたらな、と思います。コロナも落ち着いてきて、やっと本来の学生生活を新学年から迎えられるということで、学年のはじめにしか書けないようなことを今回は述べてみました。毎度のことながらとりとめのない文章になってしまいましたが、最後はこちらで〆させていただきます。

 

生きんかなこの丘に 高く新たに生きんかな 」(慶應義塾塾歌より)。

 

小野

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、古賀稔彦先生がご逝去されたと伺いました。

塾高の頃よく古賀塾の稽古に参加させていただいたり、数回しかお話したことがないのに「あっ、お前こないだいたやつだな!」などと声をかけていただいたりと、私だけでなく塾高生皆がお世話になりました。塾高生の頃初めて古賀先生をお目にかかった時、当時柔道初心者の私にもわかるほどの強靭な肉体と凄まじいオーラに、強く衝撃を受けたことを今でも覚えております。バルセロナ五輪で膝の靭帯を損傷しながらも戦い金メダルを獲得しただけでなく、これはニュースで拝見したのですが、親御さんに自らの病状について伏せていたそうです。比べる時点でおこがましいですが、このお話を聞くと、私の膝の怪我なんてなんともなく感じてしまいます。これは恩師に頂いた言葉ですが、高い志と両親への感謝の心をもって、古賀先生に一歩でも半歩でも近づきたいです。

安らかな眠りにつかれますよう、心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございました。

 

小野