こんにちは、成宮陸雄です。早慶戦まで残り2週間を切り、2年にわたりお世話になった4年生の先輩方と稽古ができる日も残り僅かとなってしまいました。先輩方からできる限りのことを学び、来る勝負の日に向けて己を整えていこうと思います。
”己を整える”と書きましたが、皆様は何か自分の心身をリフレッシュさせるような方法はお持ちでしょうか。瞑想したり散歩をしたり、最近ではサウナが流行っていますね。熱いサウナで汗を流してから水風呂に浸かり、外の空気にしばらく当たっていると、文字通り「整う」ようです。私もこれまで2回ほどサウナで整ったことがありますが、このところなぜだか整うことができません。
その代わりに最近私を整えてくれているのが、読書です。今読んでいるのは司馬遼太郎さんの『峠』という本で、600ページほどのやや分厚い文庫本の上下2冊で構成されており、戊辰戦争の中でも凄惨を極めたとされる北越戦争を戦った、河井継之助という人が主人公になっています。もちろん活字を眺めているうちにサウナのように整うわけではありませんが、本を読んでいるとその中の世界に没入し、日頃の無駄な悩みや気疲れから解放され、心が落ち着くような気がします。この感覚は、大学生が読みがちな実用書などでは得難いものだと思います。『峠』のような歴史小説は、普通の小説のように次の展開がどうなるのか気になるとかいうようなドキドキする感じや、伏線が回収されていって衝撃のラスト迎えるとかいった展開はあまりありませんが、実際に過去に起こった事柄を俯瞰して見ることで、実在した人物たちがなぜそのような道を歩んでいったのかを辿っていくことができる、落ち着いた独特の面白さがあります。このようにじっくりと深く読むことができるのが歴史小説の魅力であり、心が落ち着く理由なのかもしれません。司馬遼太郎さんの小説は、物語の歴史的背景を踏まえた登場人物の言動に伴う心境が細かく描写されており、内容がやや難しくても大変読みやすく書かれています。皆様も1冊手にとってみてはいかがでしょうか。。。なんてさも通であるかのように書いてみましたが、司馬遼太郎さんの作品をまともに読んだのはこれが初めてです。でも本当に面白いのでぜひ読んでみてください。今回はこれにて失礼いたします。