おはようございます。商学部一年の都倉です。大学生活初の充実した夏休みが終わり、秋学期の授業が始まりました。秋学期もオンライン授業がメインではありますが、週に一度は対面形式の授業があるため、春学期よりは大学らしい授業になるのではないかと期待しています。気を引き締めて柔道も勉強も頑張りたいと思います。
今回は日誌のタイトルでもある、夏休み中に読んだ「一投に賭ける」という本について紹介したいと思います。この本はノンフィクションライターである上原善広氏が、伝説的なやり投げ選手であった溝口和洋さんへの18年間にもわたる取材をもとに彼の人生を一人称で語るという内容のものです。溝口選手は日本人が圧倒的不利とされるやり投げで幻の世界記録(大会主催者の不公平な再計測によって記録が取り消された)を投げたことやあの室伏広治選手を七年間指導したことなどで知られる方です。彼はその優れた競技実績だけではなく、アフロヘアで試合場に現れる、無礼な質問をしてきた記者を追いかけ回して袋叩きにする、アップの際にタバコを吸う、などのアスリートのイメージとはかけ離れた破天荒なキャラクターでも有名です。実際に、現役を退いてから実家の農業を継ぐまではパチプロとして生計を立てていた時期もあったそうです。このように話題には事欠かない溝口選手ですが、彼を語る上で欠かせないのは何といってもやはり彼が現役時代を通して行なってきた地獄のようなウエイトトレーニングです。彼はウエイトトレーニングを単なるトレーニングではなく、神経回路の開発手段と捉え、やり投げのためのトレーニングと位置づけました。そのため、解剖学的に正しいフォームではなく、やり投げ向けに自身が改良したオリジナルのフォームでウエイトトレーニングを行なっていたそうです。また、そのトレーニング量も異常であり、12時間連続でトレーニングを行なっていた時期もあるそうです。普通に考えるとこの12時間という数字はありえない数字であり、完全にオーバーワークです。また、自己流のフォームでのトレーニングも怪我の原因となるため、推奨されるものではありません。しかし、彼はこの一見非科学的なやり方が正しかったということを日本人が圧倒的に不利と言われる投擲競技で世界記録に肉薄することで証明したのです。その裏にはやはり、彼がやり投げという競技についてとことん突き詰めて考え、試行錯誤してきたという事実があります。僕はこの本を読んで突き詰めて考えるということがあまりできていないと気づかされました。また、トレーニングに関してもまだまだ甘く、創意工夫が足りていないことを実感しました。科学的であることはもちろん大事ですが、最近敬遠されがちな「根性」などの非科学的なこともとても大切ですね。これからはしばらく、柔道にしても勉強にしても「突き詰めて考える」をテーマにしたいと思います。まずは今週末の部内戦頑張ります。
おわり。